最速で翌日夕方に判明 静岡県が三島市の国立遺伝研に変異株のゲノム解析を依頼へ

 変異株への警戒が強まる中、30日、静岡県庁で川勝平太知事が静岡県三島市にある国立遺伝学研究所と覚書を交わしました。変異株が広がる中、県の依頼をうけて県内感染者の変異ウイルスの型などを調べるゲノム解析を国立遺伝学研究所が引き受けることになったのです。

画像: 最速で翌日夕方に判明 静岡県が三島市の国立遺伝研に変異株のゲノム解析を依頼へ

川勝知事:「静岡県に遺伝研があるということが、今回ほどありがたいと思ったことはありません」

国立遺伝学研究所 黒川顕副所長:「私たちは昨年のの早い段階から、いずれ静岡でも感染が広がってくるだろうということで、知事も言ってくれた通り、ゲノムの追跡をしていかないといけなくなるぞ、というのが分かっていた」

 県はこれまでゲノム解析を都内の国立感染症研究所に依頼していました。ただ扱う検体数が多いため、現状、解析結果が判明するまで1週間ほどかかっています。

 このため県内でどの型の変異ウイルスがどの程度広がっているのかを、より迅速に把握するために、県内でもゲノム解析を行う必要性が指摘されていました。

 今回の提携は川勝知事が全国知事会で、遺伝学研究所でのゲノム解析を提案したことがきっかけで実現したといいいます。

黒川副所長:「最終的には知事の発言でこういうことになってきましたので、我々遺伝研の研究者も士気があがっております」
川勝知事:「おお、うれしいですね」

 現状、遺伝学研究所でゲノム解析を行うのは、県が管轄する検体のみで、ゴールデンウィーク中にも解析を始めたいとしています。1日最大50検体を解析することができ、最短で翌日の夕方には結果が判明するということです。

国立遺伝学研究所:
「現在新型コロナの変異株が出てきて猛威をふるっておりますので、日本で新たに変異したものが、イギリスから来たものと合わさって二重三重変異型がみつかるかもしれません。(ゲノム解析で)色んな事がわかってくると思いますので、臨床的なデータと合わせて解析していきたいと思っている」