静岡市消防局事故調査委員会 消火活動映像と市民の個人情報保護の問題を考える

去年8月、静岡市の繁華街で消防士1人が死亡したビル火災。4回目の事故調査委員会では事故が発生した要因について議論され、報告書の方向性がまとまりました。

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静岡市消防局事故調査委員会 消火活動映像と市民の個人情報保護の問題を考える

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 去年8月、静岡市葵区の呉服町で発生したビル火災では駿河消防署の消防士・山本将光さん(37)が死亡しました。

 1日開かれた4回目の事故調査委員会では、冒頭で山本さんに黙とうが捧げられ、事故発生の要因について分析を進めたということです。

事故調査委員会 中西美和委員長:
「現場で起こったことだけではなくて、背景要因にまで分析することを積み重ねた中で慎重にやってきた」

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消火活動映像

静岡市提供 消火活動動画:
「ホースの確保お願いします。10メーターだよね、もう少し欲しいな」

 煙が立ち込める建物の中をライトで照らし、前方を確認しながら進んでいく隊員。

 この映像は、当時の消火活動の様子です。

 静岡市消防局では、2020年に起きた消防隊員3人と警察官1人が殉職した吉田町の工場火災を受け、おととし4月から専門部隊による火災現場での撮影を開始。

 デジタルカメラに加え、ヘルメットに装着された小型のカメラで活動の様子を記録してきました。

静岡市消防局 安全対策課・小倉正課長補佐:
「(現場で)活動隊員の安全管理や活動支援をするとともに職員の安全管理や警防活動の向上に繋げるといった役割を担っている」

 撮影された動画の一部は、職員を対象にした安全研修で使われる資料にも活用されています。

静岡市消防局 安全対策課・小倉正課長補佐:
「夜間の火災の時の写真になる。ここに側溝があるのに真っ暗な中で活動している。例えばここにライトがあってテープで進入防止の措置をはかってあることにより、隊員がここに落下することを防ぐことが出来る」

 今年度、撮影された映像は38件。

 活動を記録するために実施している動画撮影ですが、今個人情報保護の観点から小型カメラの使用について見直しが行われています。

 小型カメラは、一度、録画ボタンを押せば撮影が継続されるため、
活動を最優先することが出来るメリットがあります。

久須美舞記者:
「こちらが ウェアラブルカメラが着いたヘルメットです。実際にかぶってみます。ヘルメット自体の重さはあるがカメラの重みは全く感じません。両手も空きますので、作業に支障が全く出ないですね」

 しかし、呉服町のビル火災では開示請求が相次ぎ、ある支障が出たと言います。

静岡市消防局 安全対策課・小倉正課長補佐
「繁華街ということもあり、現場付近にいた市民の顔が多数映り込んでしまった」

 これを受け静岡市消防局は、個人情報の保護を理由に一時的に小型カメラでの動画撮影を取りやめ、デジタルカメラのみを使用することにしました。

 一方で、静岡市消防局は小型カメラの有用性を踏まえ、早ければ4月から使用を再開したい考えで、現在市などの関係機関と調整しています。

静岡市消防局 安全対策課・小倉正課長補佐
「一般の方が入れない立ち入り禁止区域で撮影することで個人の顔を撮れない 状況になるかと思うので、その辺を徹底した活動ができるかどうかその辺を十分検討したい」

画像: 消火活動映像