静岡みやげ「うなぎパイ」7年ぶりの値上げ…原材料が高騰 「うなぎパイファクトリー」には驚きの試作品も 浜松市

北川彩アナウンサー(浜松駅前):「静岡のお土産として有名な、こちらのうなぎパイ、製造元の春華堂は、来月1日からおよそ10%の値上げを行うことを発表しました」

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 静岡の名物として知名度の高い「うなぎパイ」。こちらの「12本入りのうなぎパイ」。今は962円ですが、来月1日からは、およそ10%値上げされ、1058円となります。

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値上げの理由は?

春華堂 高橋睦美さん:「昨今の油脂類、砂糖、小麦粉など、あと包装資材のフィルムや箱など、原材料の価格の高騰で、今回、苦渋の決断となりますが、うなぎパイの値上げという決断に至ることになりました」

画像2: 静岡みやげ「うなぎパイ」7年ぶりの値上げ…原材料が高騰 「うなぎパイファクトリー」には驚きの試作品も 浜松市

浜松駅前で「うなぎパイ値上げ」について聞きました。

浜松市民70代女性:「ショックです、もうちょっと身近に、安くなればいいなと思う」

夫が浜松市出身 神奈川県民70代女性:「残念ですね。よくスーパーなどで売っているので、よく買って食べています、大好きです」

新型コロナの感染拡大も打撃

 原材料費の高騰とともに、「うなぎパイ」に打撃を与えたのは、おととしからの新型コロナの感染拡大です。

春華堂 高橋睦美さん:「うなぎパイは、静岡県に遊びに来た際のお土産菓子としても、好評いただいていて、人の移動や、旅行やお出かけを自粛されたりすると、売り上げが激減してしまう」

画像: 新型コロナの感染拡大も打撃

 おととしの3月から、県外への移動自粛などの影響を受け、東海道新幹線の乗客が減少。「おみやげ」としての需要が高かった「うなぎパイ」の売り上げも前年の半分にまで落ち込み、製造ラインを1週間以上停止したこともありました。

7年ぶりの値上げにも…

 そんな「うなぎパイ」が値上げされるのは、2015年以来、7年ぶり。

 「買い控え」の恐れは…。

Q.値上げになったら買う頻度は変わる?

浜松市民10代男性:「変わらないです」「変わらないです」

Q.それはなぜ?

A.「大好きだからです」

浜松市民30代女性:「たぶん気にせず買っていくのかなと思います」

Q.値段に関係なく?

A.「そうですね」

愛知県民男性:「しょっちゅう買うワケじゃないので、特に気にしていません」

浜松には、「うなぎパイ」に愛着を持つ人が多いことが分かりました。

「うなぎパイファクトリー」で見た驚きの試作品

 そんな浜松市内限定で、「お得なうなぎパイ」を、買えるという情報が…。浜松市西区にある「うなぎパイファクトリー」を訪ねました。

北川アナ:「こんにちは、きょうはよろしくお願いします」

 コンシェルジュの、山本亜矢子さんに案内していただきました。

山本さん:「では工場の中、のぞいていきましょう」
「お願いします」

画像1: 「うなぎパイファクトリー」で見た驚きの試作品

 「うなぎパイ」が誕生したのは、1961年。1回目の東京オリンピックの3年前です。2005年には、「うなぎパイファクトリー」がオープンして、うなぎパイが作られる様子を、間近で見学できるようになりました。1日で生産される「うなぎパイ」は、およそ20万枚。

山本さん:「こちらは、うなぎパイが誕生して61年なんですけど、誕生する前、うなぎパイ職人たちが、どのような形で売り出そうか悩みました。試作の段階なんですけど、串に刺して、うなぎパイなので、ウナギの蒲焼き風に、焼いてみたり、ねじって、ウナギと頭と尻尾に見立てて焼いてみたそうなんです」

画像2: 「うなぎパイファクトリー」で見た驚きの試作品

北川アナ:「左の試作品なんか、頭と尻尾にきれいに分かれていますね、ほんとにウナギみたいです」

山本さん:「残念ながらこちらは商品として販売することはできなかった」

北川アナ:「もしこの形で売り出されていたら、1日20万本分の串を打ち続けていたかもしれない?」

山本さん:「そういうことになりますね」

北川アナ:「大変!今の形になってよかったですね」

生地づくりの工程は企業秘密

 「うなぎパイ」を製造する上で、もっとも重要とされる、生地づくりの工程。こちらは、企業秘密も多いことから、イラストでの説明となっています。

 職人さんが「手作業」で、のばした生地は、オーブンへ…。

北川アナ:「うわぁ、おいしそう」
山本さん:「こちらが約10分ほどかけて窯を流れて焼きあがったうなぎパイです」
北川アナ:「もうこれで完成?」
山本さん:「正面で塗っているのが、秘伝のたれなんですが、職人の中でも(レシピは)数名しか知っていません。お伝えできることは、甘いたれです、ということと隠し味が少し入るのですが、ちょっとニオイの強いもの…」
北川アナ:「ニンニク?」
山本さん:「大正解、そうなんです、こちらで少しニンニクが入ったたれを塗って完成させます」

 焼きあがった「うなぎパイ」は1枚ずつ包装されていきますが、その前に関門が待ち受けています。

画像: 生地づくりの工程は企業秘密

山本さん:「こちらで焼きあがったうなぎパイが、検品者によって横幅、長さ、焼き色のチェックを行っていく。そのまま流れていく物は、良い物です。検品者は1本ずつ確認をしましてチェックをしていく」
北川アナ:「これ、ずーっと見ているわけですよね」
山本さん:「そうですね、今、手に持っている物が検品ではぶかれていったものですね」

地元限定の「お徳用袋」

 この「はじかれた」うなぎパイが、お得な商品として、販売されているのです。

山本さん:「はじかれてしまったものは、お徳用袋というものに入る」
北川アナ:「お徳用袋?」
山本さん:「細かったり、太かったり、短かったり、長かったり、そういった規格外のものが、お徳用袋に入れられて春華堂の直営店舗に置かせていただいています」

画像: 地元限定の「お徳用袋」

 こちらが、浜松でしか売られていない「うなぎパイ」の「お徳用袋」。オーソドックスな「徳用うなぎパイ」は、864円。ブランデーが入った「ぜいたく」な「うなぎパイ V.S.O.P. 」の「お徳用袋」は、648円です。

 「お徳用袋」を販売しているのは、今回おじゃました「うなぎパイファクトリー」のほか、去年4月オープンした「スイーツバンク」など浜松市内にある、春華堂の直営店7店舗です。

 また、「お徳用袋」は、数に限りがあり、売り場に、毎日並ぶとは限りません。「うなぎパイファクトリー」の直売店では、午前10時の開店直後から飛ぶように売れていました。

北川アナ:「普通にうなぎパイを買うのと、お徳用のうなぎパイを買うの、どのくらいお得なんですか?」
山本さん:「けっこうお得です(笑)」

 春華堂では、具体的に、どれだけ「お得」かは公表していませんが、少なくとも、「一般」の「うなぎパイ、12本入り」に比べ、「徳用うなぎパイ」の方が中身が多く、値段が安いことは確かです。

 山本さんに案内していただき、「うなぎパイ」について、詳しく知ることができました。

北川アナ:「今回の値上げを受けて、今後どのように対応?」
春華堂 高橋睦美さん:「うなぎパイの工場を効率よく稼働させたり、食品ロスを減らすなど、引き続き行ってまいります」
北川アナ:「食品ロスを減らす、というのはお徳用袋も含まれる?」
春華堂 高橋睦美さん:「理想なのですが、うなぎパイは「手業」によって作られているものなので、どうしても形だったり、大きさも、基準に満たない物が出てしまう場合もございますので、そういった物を無駄にしないようにお徳用袋を作っています」

 今後、人の移動が増えれば、多くの人が「うなぎパイ」を買って、生産数が増加。そうなれば、そのぶん「お徳用袋」の販売数も増えるのではないでしょうか。

春華堂 高橋睦美さん:「コロナが落ち着いて、県内のお客さんはもちろん、県外からも静岡県に遊びにきていただいて、おみやげとして、全国に持ち帰っていただいたりとか、県内のお客様が引き続き、うなぎパイを地元のお菓子として楽しんでいただけたらと思っております」