熱海土石流災害の盛り土の一部は2011年3月以降盛られたものと判明 静岡大学北村教授の研究
熱海土石流災害の盛り土について調査している静岡大学の北村教授は、盛り土の一部の土砂は2011年3月以降に盛られたとする報告を発表しました。
静岡県熱海市の土石流災害について、現地調査をしている静岡大学の北村晃寿教授は、17日午後県庁で会見を開き、未崩落の盛り土の調査から、一部は2011年3月中旬以降に盛られたことが明らかになったと報告しました。
静岡大学 北村晃寿教授:
「これがこの下の部分にあたります。およそ2メートル分の盛り土がここのところで盛られたということが、科学的なデータとして明らかになった」
盛り土源頭部の地質調査を進めていたところ、放射線セシウム濃度の測定から明らかになったとしていて、北村教授によると、検出された値は、福島第一原発の事故で放出された値に一致。
これまでの研究と合わせると、崩落しやすい特徴のある黒色の盛り土と、盛り土の上部から見つかった褐色の盛り土は、どちらもこの時期以降人工的に埋め立てられた土砂である可能性が明らかになったと説明しました。
北村教授はこれまでも、土砂は神奈川県小田原市などから運び込まれた可能性があることや、土砂の一部は一度海に流れ込んだものであることから斜面崩壊につながる特性があったと指摘してきました。
静岡大学 北村晃寿教授:
「盛り土対策として、伊豆周辺の他の盛り土でも同様な調査をして、逢初川源頭部と同じタイプの盛り土と土砂から作られた盛り土があるかどうかを調べる」