【リニア】川勝知事、実験線に試乗したら持論の「部分開業案」取り下げ そのワケは? /今週の静岡

(2日:山梨リニア実験センター)
JR東海 金子慎社長:「時速500キロになりました」
静岡県 川勝平太知事:「全然、普通に動けますね。たいしたもんだ」

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【リニア】川勝知事、実験線に試乗したら持論の「部分開業案」取り下げ そのワケは? /今週の静岡

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 2日、JR東海の金子社長とともにリニアに試乗した川勝知事。
しかし、この試乗をめぐっては、先月…

静岡県 川勝平太知事(10月:静岡・駿河区):「JR東海の社長が「ぜひ川勝にリニアに試乗してほしい」と言われて、日にちが11月2日になった。もしよろしければ、確か数両編成なので、(ここに)来られた人、みんな乗ったらどうか」

 県内市町のトップに対し、突然リニアへの相乗りを呼びかけていました。ところが、最終的には人数の関係などから川勝知事単独での試乗に。

川勝知事「部分開業できないことが分かった」

静岡県 川勝平太知事(2日:藤枝市):「たった今、リニアの現場から帰ってきた。皆様方にも前回お目にかかったとき、『お乗りになる希望はあるか』と尋ねたところ、『ある』ということだった。しかし、突然のことで変更できないということで、今回は静岡県幹部だけだったが、皆様方がお乗りになりたい希望を持っていることは伝えた」

 県を代表して、リニアに試乗する形となった川勝知事。その体験は、知事の考えに大きな変化をもたらしたようです。

Q.きょうの試乗を踏まえて、知事の持論である神奈川―山梨の先行開業など、今後の着工に向けた知事の考え方や姿勢に変化はあったのか?

静岡県 川勝平太知事:「ありましたね。(リニアは)コントロールセンターで、今のところ43kmコントロールしているが、(山梨県駅―神奈川県駅の)73キロ分をコントロールできるのかが私の関心だった。そうすると駅ができれば、そこでコントロールできれば、乗降できるので営業ができる。それが目的の一つだったわけだが、それが出来ないことがわかった」

画像: 川勝知事「部分開業できないことが分かった」

 なんと、知事の持論である「部分開業」ができないことがわかったというのです。

 運転士は乗らず、コントロールセンターで一律管理されるリニア新幹線。知事は、大井川の水や南アルプスの環境問題を理由に、県内での工事着工を認めない中、山梨県駅と神奈川県駅で先に営業を始める「部分開業」を主張していました。そして、この案は、各方面に波紋を広げました…。

「部分開業案」で波紋広げたことも…

愛知県 大村秀章知事(8月):「部分開業で事業として成り立つかというと、それは成り立たない」

神奈川県 黒岩祐治知事(9月):「リニアに乗ってみたいと思う人は乗るかもしれないが、遊園地の電車ではない。予定した通り、全線開通を目指すことが何よりも大事」

JR東海 金子慎社長(8月):「東京から名古屋まで、あるいは大阪までを開業しないと、建設の意義が果たされない。そういう(部分開業の)選択肢は全くない」

 一方で川勝知事は、9月に神奈川県を視察。先行開業について、その可能性に自信をのぞかせていました。

静岡県 川勝平太知事:(9月):「その(部分開業の)可能性を探りにきたが、その可能性は8割方あると思った」

川勝知事が「部分開業できない」と判断したワケは

 では、知事に部分開業はできないと判断させた、残りの「2割」とは何だったのでしょうか?

静岡県 川勝平太知事(2日:藤枝市):「コントロールセンターと共に変電センターがあって、それが大体30~40kmごとに1台ないと動かないという。今のところ1台。それは都留の実験センターのすぐそばに、高さ10mぐらいの変電所があって、それが実は電気を送っている。これが30~40kmごとになると、甲府駅のすぐ近くに一つ。それから彼らからの説明によると、相模川のすぐ近くに一つ。両方とも地上部分だが、その2つがないと、実は甲府駅と神奈川駅も結ぶことができないと。目下のところ、今変電所は、変電センターは、この実験センターに1つしかない。東京―神奈川どころか、甲府―神奈川の間も変電所ができてないので、それ(部分開業)が出来ないとわかったことが、大きな発見だった」

 一方で、「できるところから始める」という、知事の持論は変えませんでした。

Q.部分開業案はもう取り下げになると思うが、そうなるとJRの方は東京―名古屋間の先行開業というのを示している。知事はそこに理解を示して水問題と向き合っていくのか?

静岡県 川勝平太知事:「そういうことも言えるし、一方で、ものすごく乗りたい人がたくさんいる。(金子社長に)5市2町の方とお目にかかる、皆さんが「乗りたい」と言っていたことを伝えた。そうしたら、ものすごくたくさんいるという、乗りたい人が。競争率は30倍ぐらいという。ですから、変電所が出来なければダメなので、もちろん車両基地もできていないので動かないわけだが、私はできるところからやればいいんじゃないかと申し上げた。それと水問題はもちろん、お互いに一番重要な問題。閣議決定でも水の問題、自然環境の保全と言うのは6月に閣議決定されている。これをやらなくてはいけない。ただ、一方でリニアは素晴らしい技術なので、これはなんとか生かさないといけないというのが彼らの意見であり、私も同じ考え」