突然訪れた決勝の舞台 静岡・富士市出身の芦川うらら選手 女子体操・種目別平均台で6位入賞
突然訪れた決勝の舞台
芦川うらら選手:「オリンピックはまず予選通過を目標にしていて、決勝で一番いい演技をすることが目標です」
大会前、そう語っていた芦川うらら選手。しかし先月25日の種目別平均台予選では12位。決勝進出を逃し芦川選手のオリンピックは幕を閉じたかと思われました。
ところがきのう、突然大きなチャンスが舞い込んできました。ルーマニアの選手が怪我で欠場し、直前に繰り上がりで決勝進出が決まったのです。
高校卒業時の大きな決断
1年延期になったオリンピック。芦川選手も大きな決断をしてこの舞台に臨んでいました。今年3月に常葉学園高校を卒業した芦川選手は、地元静岡からオリンピックに出場したいと、この春の大学進学を見送りました。
芦川うらら選手:「もし(五輪が)中止になったら大学に進学しなかった1年はなんだったんだろうと思ったしまったけど。すごいたくさんの人から声をかけてもらって、本当に地元ってあったかいなって思っているし、残ってよかったなって思いました」
武器はE難度「交差輪とび」
中野結香アナウンサー:「靴が両足並んで入りきらないほど細い平均台の上。少しでもズレれば落下してしまう種目なんですが、芦川選手は平均台から目線を外した高難度の技を多く実施しているんです」
芦川選手の演技の中でも難しい技の一つ、E難度の「交差輪とび」を見てみると、平均台からは完全に目線が外れています。それでも台にピタっと吸い付くようなこの着地。静岡で磨いてきた芦川選手の大きな武器です。
そしてきのう
実況:「初めて掴んだその夢舞台で決勝にまで辿り着きました。さあ芦川うらら、種目別決勝の演技が始まります」
序盤、芦川選手は持ち味の安定感を活かした美しい演技を披露します。そして中盤、テンポよく「交差輪とび」へ。
実況:「このあとE難度のとび技。崩しかかりますがこらえます」
片足が台から落ちましたが何とかこらえます。最後は3回ひねりを決めて笑顔で演技を終えました。
結果は13.733点で6位。3位の選手との点差は0.267。決勝の舞台でメダルまであと一歩と健闘しました。
芦川選手:「やる前から足の感覚がなくなってしまって、台に上がった時にはくらくらして倒れそうになるほど緊張していた。交差輪とびで足を外してしまったんですけど、なんとか耐えて6位という結果で、それがなければって思ってしまうがここまで来れたことに感謝しています」