「線状降水帯」に「避難指示」も…2週続けて「大雨」 急ピッチで進む復旧作業 /今週の静岡
竹内一夫カメラマン(袋井市 2日午前8時半ごろ):「午前8時を過ぎました。道路が冠水をしています。さらに風や雨も強くなってきました」
片山真人アナウンサー(静岡・葵区 2日午後3時半ごろ):「午後3時半の青葉シンボルロード。この5分ほどの間に、雨と風が強くなり始めた。傘をさしていても、斜めにさしていても、その雨をしのぐことができていないという状況です」
時間が経つにつれ、激しさを増していった雨。線状降水帯が発表されなかった県東部でも…。
沼津市の病院が浸水
こちらは沼津市の「きせがわ病院」。窓の向こうに濁った水が迫り、浸水している様子が分かります。
きせがわ病院 塩田美佐代さん:「150センチくらい水が上がってきていた。職員も危険だと思ったし…」
外を見ると、車がヘッドライトまで浸かっています。
その後、水は病棟に流れ込み、リハビリを行う1階部分はおよそ1.5メートル浸水。医療器具やベッド、机などが水浸しになりました。また、漏電も発生し、病棟の一部で電気が使えない状態となりました。
JR三島駅では大雨の影響で構内が浸水し、水びたしに。
記録的な大雨
JR静岡駅
「止まっている」「在来も?」
東海道線は新幹線・在来線ともに運転見合わせとなり、駅には立ち往生となってしまった多くの利用者があふれました。
県内では、浜松市、静岡市、川根本町で、それぞれ24時間雨量が観測史上最大を更新(浜松市で328.5ミリ、静岡市葵区鍵穴430.0ミリ、川根本町420.0ミリ)。
降り始めからの総雨量は、県内で去年の台風15号を上回る場所もでるなど、記録的な大雨となりました。
裏山崩れ住宅全壊…パジャマ姿で避難
浜松市西区では…
今田恵子さん:「まさかここまでくるとは思わなかった」
中野祐介市長:「雨の降り方が全然、いままでと…」
3日午前5時ごろ、家の裏山が崩れて木造平屋建ての住宅が全壊。住んでいた今田さんはすぐに避難して難を逃れましたが、同居していた39歳の息子は崩落に巻き込まれ、足にけがをしました。
被災した 今田恵子さん:「本当に一瞬です。ゴーっていってから、何秒じゃない、なにが起きたって感じです」
Q.体一つで(避難)?
A.「そうそう、パジャマで。でも命あったのでよかったと思うし」
息子は幸いにも家具の隙間にいたことで、大きなけがはありませんでした。
今田恵子さん:「毎日、生活送る場所がやっぱり。無いものは無いので、それを作っていくことをしてかなきゃいけないと思う」
森町では断水
山間地などでは、道路の崩壊も相次ぎました。
森町では、大雨の影響で太田川が増水。大量の流木が橋にせき止められ、水が県道にあふれました。この水が道路を削り、水道管が破損。8日夕方まで周辺の住宅が断水に。不便な生活を強いられました。
断水被害にあった女性(80代):「(水が)出るというのは本当にうれしかった。心の底から水がこんなに大切なものだと」
再び大雨が…伊豆地方では「避難指示」も
竹内一夫カメラマン(8日):「磐田市の敷地川です。工事業者の方に話を聞いたところ、今夜までに土のうを積み終え深夜からの大雨に備えるということです」
2日の大雨で堤防が決壊し、甚大な被害をもたらした磐田市の敷地川では、急ピッチで仮の復旧工事が進められました。そんな中、8日、再び大雨が。未明に強くなり始め、敷地川の水位が徐々に上がっていきました。
降り始めからの雨量は、伊豆市天城山で209ミリ、御前崎市で156.5ミリ、東伊豆町稲取で135ミリに達しました。土砂災害の危険性が高まったとして、下田市と南伊豆町では一時、避難指示が出されました。
森町では、天竜浜名湖鉄道の線路に木や竹が倒れているのを近くにいた人が発見。一部区間で一時、運転を見合わせに。
また、森町問詰では、倒木を防ぐためのフェンスを突き破った木が道路に落ち、片側1車線をふさぎました。
心配された磐田市の敷地川は、濁流が押し寄せたものの、決壊は免れました。しかし、安心はできません。
林輝彦アナウンサー:「依然、川の水は茶色く濁っていて、流れも少し早いように感じます。堤防が決壊した個所はたくさんの土のうが置かれていて、きょうも盛り土をするなどの応急工事が急ピッチで行われています。」
台風3号の接近に警戒が続いています。
(6月10日放送)