違法な「盛り土」に市が告発状 すでに崩落が発生、川へ流出する恐れも 静岡・御殿場市
御殿場市にも違法な盛り土が…
御殿場市 都市計画課 富川和也 主任:
「神場地区の盛り土に関しては数年前から盛り土がされていて、きのう(11月15日)の午前中に御殿場市から御殿場署の方に告発状を提出し受理された」
このように答えたのは御殿場市の担当者。いったい今、御殿場市で何が起きているんでしょうか?
白鳥衛記者(御殿場市神場・15日):
「御殿場市内にありますこちらの広大な土地に、違法な盛り土が造成されたとみられています」
JR御殿場駅から車で10分ほど南西に向かったところにある神場(じんば)地区。
この場所にあるのが無許可で造成された“違法な盛り土”です。
崩落している場所も…
さらに…
白鳥衛記者:
「こちらからは見えないが、あちら奥、北側の場所では盛り土が崩落している場所もあるということです」
盛り土の一部ではすでに“崩落”が発生。中にはのり面が幅20m長さ30mにもわたり崩れたところもあるといいます。
御殿場市 都市計画課 富川和也 主任:
「(市内には他にも)無許可で行われた盛り土が10カ所ある。今回の神場が一番崩れがひどくて、緊急的な対応が必要な場所になる」
神奈川県から運ばれた残土か…
現状では今回発生した崩落による住宅への被害などは確認されていません。
ただ、違法に埋め立てられた土砂はおよそ2万立方メートルに及び、ほとんどが神奈川県から運ばれた残土と見られています。
この場所に土砂を運搬していたのは、御殿場市にある運搬事業者。
御殿場市側は2021年9月に、崩落した部分の是正措置命令を事業者に対して出していましたが、期限となる2022年3月末までに措置は講じられず、計画書も示されなかったといいます。
御殿場市 都市計画課 富川和也 主任:
「盛り土を行った業者の方も『是正を行います』という話はするが、実際は行動に起こさなかった。(事業者は)自分の仕事が忙しいので、1カ月~2カ月先で落ち着いたら現場に入れるという話しがあったので、それを信じて待つような形でずるずると日数が過ぎてしまったのが現状」
市によると、事業者は許可を得ないで2016年12月より前から御殿場市神場の民有地に土砂を運び込んでいたとみられています。
3年前には大型ダンプ2台が出入りし、土砂を搬入する様子を市の職員が確認したということです。
市の担当者は…
ただ今回の盛り土の近くには川が流れていて、大雨で増水した場合には土砂が流れ出し護岸が崩れる可能性もあるため、現在市はパトロールを行うなどの対策をしています。
御殿場市 都市計画課 富川和也 主任:
「(盛り土の)多くは首都圏から残土というのが多い。この富士山麓周辺市町は人目に付かない、死角となりやすい農地や山林が多いので、その辺を狙って関東方面からの残土が持ち込まれるというケースが結構多い。何らかの対策が必要ではないかと考えている」