村田市長「告発は間違いでなかった」…園児虐待事件で刑事告発を取り下げ 静岡・裾野市

 静岡県裾野市の保育園で起きた園児虐待事件で、村田悠市長は25日、前園長への刑事告発を取り下げたことについて会見を開き、「園の運営を正常化するため」と説明しました。

画像: 村田市長「告発は間違いでなかった」…園児虐待事件で刑事告発を取り下げ 静岡・裾野市 youtu.be

村田市長「告発は間違いでなかった」…園児虐待事件で刑事告発を取り下げ 静岡・裾野市

youtu.be

裾野市 村田悠市長:「熟慮を重ねた結果、社会福祉法人桜愛会の理事長であった櫻井利彦氏に対する告発状の提出を取り下げることといたしました」

「捜査により正常な保育環境でない」

 25日午前、裾野市の村田悠市長が会見を開き、市内の保育園で発覚した園児に対する虐待行為をめぐって、自らが行った前園長に対する刑事告発を取り下げたことを明らかにしました。

画像: 「捜査により正常な保育環境でない」

 去年11月、裾野市の私立「さくら保育園」で、1歳児のクラスを担当していた元保育士3人が園児の頭を叩いたり、足を持って吊り下げたりする虐待行為が発覚。このことについて口外しないよう保育士に誓約書を書かせたとして、村田市長は去年12月、前園長を犯人隠避の疑いで刑事告発していました。

裾野市 村田悠市長(12月5日):「本件は保育士3名だけの問題ではなく、園の責任者であるにも関わらず、保育士に対し誓約書を書かせるなど、意図的に隠ぺいを図ろうとした園長の対応も悪質でありました。市長として、今後捜査が行われることを強く望んでいます」

 強い口調で前園長の対応を批判していた村田市長でしたが、一転、前日の24日、裾野警察署に出向き告発を取り下げたのです。

裾野市 村田悠市長:「捜査に取られてしまう工数によって、正常な保育環境が今園で行われていない実情がございます。そのようなことを、今このように感じている時に果たしてこのままこれが正しいことなのかと。それとも正常な保育を取り戻すために市としても何か力を貸してあげられることがあるんじゃないかと思ったのが実情です」

「告発は間違いでなかった」

 逮捕された元保育士3人は、処分保留で釈放され在宅での捜査が続いています。

裾野市 村田悠市長
Q.今回の判断に3人の保育士が、処分保留という状況になっているという検察の判断が影響している?

A.「特にはそのようなことはありません。今回の判断は、市として正常な保育環境を取り戻して行くということを整理した上で、私が判断した」

画像: 「告発は間違いでなかった」

 正常な園の運営を重視したとする村田市長。記者から次のように問われると…。

Q.告発をしたということは間違いだと反省する点があったという考えがある?

A.「私は間違いではなかったと。今も思っている」

Q.今回告発状こそ取り下げられましたけれども、園側がいわゆる隠蔽する意思があったという認識は市として変わりない?

A.「はい、今も変わっていません。前理事長の責任は今も大変に重いと思っております」

給料を減額する条例案を市議会に提出へ

 告発したことは間違いなかったとしながらも、自身の判断に甘さがあったとしました。

裾野市 村田悠市長
Q.市長がマッチポンプみたいなことやっていると思うが、ご自身で考えて告発したことなどに拙速さなどは感じない?

A.「全て正しいと思っておりません。マッチポンプだとお感じになられる方もいらっしゃると思います。ですから、私自身も未熟なところもあります。人にご迷惑をおかけしていることも認識しています。そのようなことを総合的に判断しての、今の対応になっていると思います。それはマッチポンプと言ってしまってはおしまいですよ」

 村田市長は今回の問題で事態の把握から公表までに時間がかかったとして、自身の給料を減額する条例案を2月の市議会に提出する方針です。