不漁続くサクラエビ漁に同行…明るい兆しも 組合長「ゼロ歳エビが広範囲に」 静岡市・由比港
厳しい自主規制で資源回復を図る
秋漁2度目の漁
難波亮太記者:「秋漁2度目の漁に向け、漁師さんたちが準備を進めています」 5日の由比港は、解禁日以来の漁ということもあり、にぎわっていました。
湾内で自主規制
ここ数年、歴史的な不漁が続いているサクラエビ。静岡県桜えび漁業組合は資源回復のため、厳しい自主規制を設けてきました。 今回の秋漁でも、富士川河口の湾奥部の一部は、群れの中に35ミリ以上の親エビが75%以上いないと漁をしないという、事実上の禁漁区としています。
そんな中、初日は明るい兆しが見えました。1日の水揚げ量は去年より2.1トン多い4.6トン。今年の春漁の初水揚げと比べても、2倍以上の量だったのです。
基準に達せず、網を入れられず…
大井川河口へ
そして迎えた2度目の漁。漁師も期待感をにじませます。 豊国丸 望月康弘船長:「資源調査の結果、魚影が多かった。期待感は全然違いますね。ここ3年ですか、苦労が報われてきたという感じだと思います」
午後3時半、船が次々と出発します。向かう先は由比から1時間半ほどの大井川河口沖。日が落ち、漁場が近づくと船内では漁師が黙々と着替え始めました。
仲間の船と細かに細かに情報交換。魚群探知機をにらみながらエビの群れを探しますが、先についた船から、試験網でエビを獲った結果、漁に適さない小さなエビがほとんどだという連絡が-。 Q これからどうする
「物が悪くて選別がある場合はそっちに応援に行く。とりあえず今は」
Q しばらく待機?
「待機、そうですね」
結局、望月さんの船は漁ができる基準の群れに出会えず、一度も網を入れられませんでした。
初日上回る水揚げが… 組合長「少しずつ量が増えてくればいい」
残念な気持ちで由比に戻ると、そこには驚きの光景が。船にはルビー色に輝くサクラエビが入った箱がずらり。港にも次々と箱がおろされます。この日の水揚げ量は、初日を大きく上回る約10トンでした。
静岡県桜えび漁業組合 実石正則組合長
静岡県桜えび漁業組合 実石正則組合長:「秋漁は始まったばかりで、これから少しずつ量が増えてくればいいなと思っている。ただ、去年は見られなかったゼロ歳エビの広範囲にわたる反応が確認できたのはよかった。効果が出てきたのかな、と思っている」