コロナ禍で失った1ページを写真で残そう みんなで考えたコンセプトは「青春」 静岡市の高校生が写真撮影会
3月10日、葵区の静岡城北高校の中庭。制服姿に…袴姿…中には白衣を着た生徒も。そして、ストロボ照明が実に30台。
杉山雅彦さん:「面白い写真を撮ろうということでこれだけ準備した。写真の出来栄えは皆さんの演技力にかかってくるので、明るくてポジティブな写真をみんなで協力して作れたらいいと思うので、よろしくお願いします」
行われていたのは集合写真の撮影です。撮影するのは、静岡市の写真家杉山雅彦さん。杉山さんが撮影する集合写真は、普通とはちょっと違います。これまで日本各地の企業の、PR用の写真を撮影してきました。社員ひとりひとりが主人公。笑顔はもちろん、今にも動き出しそうな表情の豊かさが特徴です。こだわるのは「一瞬のリアル」。今回は、城北高校の1・2年生の有志20人が撮影を企画。集合写真のテーマは?
企画に携わった生徒:「今コロナ禍ということで、自分たちが『青春』というのを余り感じられていない中で、どうやって自分たちの城北の色をだしていくのか青春というのをどうやって自分たちがあまり経験できていない中でどうやって表現するかということをみんなで話し合いました」みんなで考えたコンセプトは「青春」。それを表現するために、「色」にもこだわります。
科学部員:「これキレイですよね。着色料、スーパーので作れるんです」
学校のコンセプトカラーと合わせ「青春」を「青」で表現することにしました。そして、こだわりは小道具にも。ホルンに琴、さらには自転車も。日頃使っているものを撮影に使います。撮影の前には演技指導。
杉山さん:「テニスボールラケットで」「それを1回だけやってもらう。その時にパッと粉が出る」
合成なしの一発撮りは果たして…?
まずはリハーサルからです。
杉山さん:「1、2、3、ハイ!」
生徒たちには少し照れくささもあるようです。画角やタイミングがなかなかうまく決まりません。
杉山さん:「タイミングが悪くて。1、2の3、ハイ、1、2の3、パッ。1、2の3、パッ」一瞬へのこだわり…またまた直接指導です。
杉山さん:「これをこう、こっから行っちゃう感じで」
そして、いよいよ本番です。
杉山さん:「1、2の3、ハイ!」
写真を確認しながら、全員の息がぴったりと合うまで何度も何度もシャッターを切ります。撮影準備をはじめてから6時間。
杉山さん:「1、2の3、ハイ!」合成なしの一発撮り。
杉山さん:「はい、OKです!」奇跡の1枚は果たして…
青春の1ページを切り取った写真
「お~すごい」
シャッター音:「カシャッ!」
みんなの息がぴたりとあった一瞬です。筆からの水しぶき。テニスボールの動き。こちらは告白シーン、まさに青春です。
書道部員:「コロナ禍で行事とかが規模が小さくなっている中、普段体験できないようなことができてよかった」
書道部員:「一般の方に向けた文化祭とか出来なくて小規模な学校内でやる形だったので、こういう、一般の方と関われる機会が出来てとてもうれしいです」
杉山さん:「青春の1ページをみんなで楽しく撮れるというのは、本当に楽しみにしてきました。なかなかこれだけの人数が集まって全員が映ると難しいが皆さん協力いただいて、上手く撮れました。表情が見えない社会になってしまったからみんなの表情を残したいし、爆発する感情を写真で表現できたらいいなといつも思っております」
コロナによって奪われた青春。でも、コロナがあったから繋がった出会いも。アツく、甘酸っぱい青春の1ページを切り取った写真が完成しました。