3歳女児置き去り死亡事件の園が業務再開…子どもの登園確認を4段階で実施するなどの安全対策 牧之原市 /今週の静岡
「黙とう」
5日 、女児の死亡が確認された時間に合わせ、園の職員が黙とうを捧げました。3歳の女児が送迎バスにおよそ5時間にわたって置き去りにされ、熱射病で死亡するという痛ましい事件から、1カ月。牧之原市の川崎幼稚園には、再び献花台が設置されていました。
献花に訪れた人:「あまりにもかわいそうで、小さい子が。あんなことで。大人どものいい加減さで亡くしてしまったという。時間が経てば経つほど忘れますよね、だから忘れないようにするために」
園が業務再開
当日バスを運転していた増田立義元園長は9月8日付で園長と園を運営する法人の理事長を辞任。理事長の後任には、息子の多朗氏が就任しました。
そして、3日。
増田多朗理事長(3日)「女の子とご遺族様に心よりお詫びを申し上げます。本日、業務開始前に職員全員で黙祷を捧げた。ようやく再発防止策ができたので、これなら安心安全な保育ができると判断した。園児や保護者の皆様には寂しい思いやご不便をおかけしましたが、本日、園を再開いたします」
事件後、川崎幼稚園は休園が続いていましたが、保護者らから再開を望む声があがっていることや、安全管理マニュアルが出来たことなどから、運営を再開しました。再開にあたって、遺族とは複数回連絡を取り、その中で反対意見はなかったとしています。
4段階で「登園を確認」
園に子どもを預けている保護者からは―
子どもが園に通う保護者:「残りの在園児たちを見捨てないでほしいと思っていた。1日でも早く再開してほしいと思っていたので、子どももそう思っていたと思うので再開していただけてよかったと思う。マニュアルもしっかり整備してくれたということなので、そこはもう信頼して任せるしかないかなと思う」
新たに策定された安全管理マニュアルでは、専門家の意見を踏まえ、子どもの登園確認を4段階で実施するなどの対策がとられています。
増田多朗理事長:「まずは今まで一回だった園児の確認というものを、9時15分、9時45分の2回行うようにした。9時50分になりましたら、園長または副園長がホワイトボードにある状況と(登降園アプリの状況を)確認します。それでも漏れがあると困りますので、10時になったら園長または副園長が各園に回って目視で、あの子は確実にいる、あの子は欠席でいませんという確認をする。」
一方、送迎バスの運用は安全対策が十分に検証された上で再開するとしていて、当面の間は運用しないとしています。
事件から1カ月。牧之原市によりますと、園児167人のうち、7日までに15人が退園し、そのほかに7人が転園を希望しているということです。
現在、県警は業務上過失致死の疑いで捜査しています。また、県と牧之原市は合同で特別監査に入っていて、今月中旬にも園に改善勧告を出すかどうかなどを判断する見通しです。
(10月8日放送)