【独自取材】旧統一教会との関係を静岡県議が告白 政務活動で複数の接点… 市役所で教団関係者の講演会も
藤曲県議と旧統一教会との関係とは…
自民改革会議
藤曲敬宏 県議:「もともと私自身も、統一教会との関係というか、以前政治家になる前から勉強した時期もあったりということもあって、その教会の活動とかっていうのは、少し触れた部分があって」
Q:勉強していたとはどういうこと?
藤曲敬宏 県議:「一時期、学生時代に原理研究会に触れた時期があって中身の教理に触れた時期もあった」
Q:当時、入信していた?
藤曲敬宏 県議:「入信というと、教会の会員になっていたような形だが、勉強させていただいてたし政治家になる前の話なので、少しそういう時期はあった。当時の前は、霊感商法とか問題があった時期があって、私たちも客観的に見てて、その後、2009年に教会自体のスタンスを変えると、さまざまな霊感商法と言われるような、一般的に呼ばれているようなものは、やめるという話があったので、私はそれを信じてたんですね。そういう形で健全な形で、本来あるべき宗教団体の姿に、ならば、理念等は非常に、応援できる部分もあるのかなというふうに思ってました」
Q:会員の時もあった?
藤曲敬宏 県議:「そうですね、はい」
Q:現在でも会員?
藤曲敬宏 県議:「多分会員だと思う」
あの事件後、心境に変化が…
旧統一教会の信者ということを告白した藤曲(ふじまがり)県議。政治家になって以降の、宗教との関わりについてはこう説明します。
自民改革会議
藤曲敬宏県議:「政治家になってからは教会の人たちに応援してもらったり選挙の時に応援してもらったこともないし、逆に言うとそういうところを線を引いて、熱海の人に聞いてもらえれば分かるが、一切それは表には出さないし、何か布教というか伝道というのは一切しないようにしてきた。実際、何かを売ったとか、一切これまで人生の中でないので、その辺はあくまでも内心の問題としていたところがあって、そこでは政教分離をしっかり。そこは私もきちっとしなければいけないと思って活動してきた」
ただ、あの事件が起きて以降、心境の変化があったといいます。
藤曲敬宏 県議:「安倍元総理の事件が、銃撃事件があって、非常にショックを受けたと同時に、その中でもう一度、旧統一教会に対していろんな報道がありました。訴訟があったとかいう話とか、まだ完全に解決できてないというかですね。そうであると、ちょっと私たち、私が今までお付き合いしてきた、教会とのスタンスはもうこれはちょっと続けられないなと。私も政治家であるとともに公人ですので、さまざまな問題を抱えたままの宗教法人とは、お付き合いができないなというふうに思ってまして一切今後、お付き合いをしていかない。そうすべきであると特に公人としてはそうしなければいけないっていうふうに今思っています」
安倍元総理の銃撃事件を機に、次々と明らかになった旧統一教会の実態。それを受け藤曲県議は、旧統一教会と距離を置くとしています。
ただ、これまでの政治活動では、旧統一教会との接点が複数あったことが分かっています。
政務活動費が関連団体に?
こちらは2018年の藤曲県議の政務活動費の報告書。旧統一教会の関連団体が共催している32年後の日本を若者1万人で考えるというイベントに参加するため政務活動費、6450円を使っています。
また同じ年、やはり旧統一教会が関係する日本と韓国をトンネルでつなぐ事業を推進するイベントに出席するため政務活動費から5120円支出しています。
旧統一教会の問題に詳しい、紀藤弁護士はこの政務活動費の使い方に、疑問を投げかけます。
紀藤正樹 弁護士:「結局、政務活動費を事実上、自分の宗教活動に使ってるようなものともみえるんですね。統一教会の活動であれば、それは宗教活動ということも本人は分かってるわけですから、それはやはり自分の宗教活動の一環として政務活動費を払ったっていう事に、当然なるわけであって、それを勉強だから、その政務活動費で使ったっていうふうには言えないと思う」
使い方は正当?
一方で、藤曲県議は、こう話します。
藤曲敬宏 県議:「今回私があげたものに関しては、宗教活動では全くない。それだけを見たときには、宗教であるということ、またそういう中で何かを布教するような目的ではないっていうところが明確にあったので、さまざま私が今ライフワークでやっている政治活動に一致する部分、大事な部分は、そこの参加していたっていう事実があります」
藤曲県議によると、参加したイベントは、日本と韓国の友好につながるものや食料や環境問題について取り上げたものなど。この活動をもとに、議会で質問をしたりするなど、政治活動に役立っているため政務活動費の使い方としては、正当だと主張します。
国際勝共連合幹部とも接触が…
また政務活動費を使い、藤曲県議は2017年以降、少なくとも4回、都内で青津和代(あおつ・かずよ)氏に面会しています。教育問題国民会議に所属する教育の専門家とされますが…。
Q:青津和代さんという方はどういう方なんでしょうか?
紀藤正樹 弁護士:「統一教会の古参信者で勝共部門、つまり政治部門を担当するセクションの責任者の一人で選挙対策ですね。選挙対策とかを担う、役職者の一人なんですね。青津和代さんがいろんなところで発信をしていて、その活動の一環で各地方自治体に出かけていって統一教会員なのに統一教会じゃないふりをして市民にパートナーシップじゃないけど、市民に統一教会の家庭観を伝えていく役を担っている人と考えてもらったらいいと思う」
旧統一教会の関連団体、国際勝共連合の幹部とされる、青津(あおつ)氏。藤曲県議は、その青津氏に面会しているだけでなく2019年に、熱海市役所の会議室で開いた県政報告会に講師として呼んでいます。パートナーシップについての講演で、講師料は4万4548円。政務活動費から支出されています。
「しっかりと政務活動が目的で…」
Q:勝共連合の幹部であるということはその時は分かっていた?
自民改革会議
藤曲敬宏 県議:「そこはね、わかってないんです。はい、はい。あくまでも私は、そういう勝共連合の話は聞いてないので、そこでは。家庭教育支援の話を聞いたので。違和感なく、あくまで専門家の知見を聞くという形でお話を聞きました」
Q:今となってはやはりそういった幹部の方と協力して市役所に呼んで政務活動費で出演料をということに対しての是非っていうのは、今はどういうふうにお考えか?
藤曲敬宏 県議:「そうですね。先ほど言ったように、会の趣旨と、そして政務活動の目的とが一致してたので、それ自体は悪いことではないと思うんですね、しっかりと政務活動で目的で私もやってたので、それ以外の目的でやってませんので、ただ、今からそういう指摘があることはね、甘んじなきゃって受け入れなきゃいけないかなと。ですから、先ほどからいっているように、もう今後はそういうお付き合いは控えさせていただきたいというか、一切しないというふうにお伝えしています」
紀藤弁護士は「活動の一環だと思う」
これについても紀藤弁護士は。
紀藤正樹 弁護士:「統一教会員であれば、青津和代さんが統一教会員であること、信仰の先輩であることもわかっているわけですので。それはだから、統一教会の活動でいわば広報的な活動ですね。私から言わせればそれは統一教会の活動の一貫だと思う。」
県議会で藤曲県議は…
さらに2022年2月、藤曲県議は同性婚を認める「パートナーシップ制度」導入についての意見を聞くため青津氏と面会しています。
合同結婚式を儀式として行う旧統一教会は同性婚やLGBT推進に反対の立場。青津氏からは、そういった旧統一教会の教義に沿った話が伝えられたとみられます。
その4日後、藤曲県議は議会の一般質問で。
自民改革会議
藤曲敬宏 県議(2022年3月):「性的少数者の方々のニーズは、必ずしもパートナーシップ制度やLGBT差別禁止法制定を必要とするのではなくて、当事者に対するメンタルケアや家族相談や職場、学校での相談体制の充実ではないでしょうか。本当にこのパートナーシップ制度導入が性的少数者のニーズに応えているのか、同性婚推進を求める一部の声に左右されていないのか、この制度導入に向けての経緯及び目的について改めて伺います」
Q:議会でLGBTだとか、パートナーシップ制度について発言されてますが、旧統一教会の教義に近いのではないかなというような印象を受けたんですが、そういった影響とかってありましたか?
自民改革会議
藤曲敬宏 県議:「いや、それはないと思います。ちょっとそれは勘ぐりすぎかなと思ってます。あくまでも一般論として、LGBTの皆さんの多様性は非常に大事だと、私そこの冒頭でも言ってたんですね。同性婚については少し慎重さが必要ではないかなということは言わせていただきましたけど、それは別に統一教会だからではなくて、一般的にそう思っている方もたくさんいらっしゃると思うんですね、多様性は認めますよ」
Q:改めて聞くが、(県議会の質問に)統一教会の教義が関係しているわけではない?
藤曲敬宏 県議:「そうですね。そことは一緒にしないでください。」
多くの人の考えに耳を傾ける中の一つとして、青津氏の意見も聞いたと藤曲県議は話しています。