静岡市民1人当たり借金68万4000円 “ハコモノ事業”目立つ予算案に市長「短絡的にハコモノはいけないは違う」

静岡市 田辺信宏市長(15日):「一般会計は3517億円と令和4年度の予算に比べ139億円、4.1%増。これは積極的な予算であり、過去最大の規模となります」

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田辺市長「短絡的にハコモノはいけないというのは違う」

 静岡市の田辺信宏市長が発表した、新年度の当初予算案。一般会計の総額で3517億円と過去最大となりました。

 その中に含まれているのが…。

「海洋・地球総合ミュージアム」「歴史博物館」「静岡市アリーナ」

 田辺市長肝いりの“ハコモノ事業”です。

画像: 田辺市長「短絡的にハコモノはいけないというのは違う」

 合併後の静岡市では最も建設費が高いとされる清水区の水族館と博物館の複合施設「海洋・地球総合ミュージアム」の整備費や、1月グランドオープンした「歴史博物館」の管理運営費、清水区の新しいサッカースタジアムの建設に向けた調査費などを含む、「5大重点政策」に合わせて149億4000万円を計上します。

静岡市 田辺信宏市長(15日):「短絡的にハコモノはいけないんだということ、これは違うと思います。地域経済の活性化の一つのきっかけとして公共投資をしていく」

アリーナ…「市はどこまで負担を考えているのか」

 また、JR東静岡駅北口の市が所有する土地にプロスポーツの試合やコンサートなどが開催できるアリーナを整備する計画の調査費に3100万円余りを充てています。

画像: アリーナ…「市はどこまで負担を考えているのか」

 アリーナに関する検討委員会からは―

アリーナ誘致検討委員会 岸昭雄委員(14日):「どこまで行政が負担をしてこの事業に関与するのかという議論で確認したいのは、市がどこまで負担を考えているのか、かなりクリアにイメージしておかないと」

静岡市 田辺信宏市長(15日):
Q.本当に運営として成り立つのか、需要があるのかという声もある。市長としてアリーナ運営を軌道に乗せるために、どのような方策がいいのか?

A.「民設民営は難しいのではないかということですので、やはり公的にある程度の下支えをしていく必要があると私は現在考えております」

 田辺市長はあくまでも官民連携での誘致を想定しているようです。

静岡市 田辺信宏市長(15日):
「多額の税金をつぎ込んで巨大なハコモノを造る時代ではないという認識を私は持っています。だからこそ、私は新しい公共経営を標榜して、そういった施設を造るにしても民間の力・資金・ノウハウを連動させるということ。また、公益性と事業性を両立したビジネスモデルで、そのような社会インフラを整備していくという考え方であります」

市民1人当たりの借金68万4000円

画像: 市民1人当たりの借金68万4000円

 今回の予算編成によって市の借金に当たる市債残高は、来年度末に4676億円に達する見込みで、市民1人あたりに置き換えると68万4000円となります。

 4月の市長選には出馬しない意向を表明した田辺市長。今回編成されたハコモノ事業を含め、実際に予算を執行するのは新しい市長です。

静岡市 田辺信宏市長(15日):
Q.新年度予算をフル型でガチガチのものを作ってしまうと、執行責任を負うのは誰になる?

A.「逆に誰が負うんですか? 新しい市長だと思いますよ。市長が与えられた条件の中で執行すればいいだけの話です。新しい市長には十全に予算を準備して、そして第4次総合計画を牽引してもらいたい。そんな願いを込めて、このようなスタートダッシュができる予算を作ったつもりです」