第5波で急増“コロナ後遺症” 長期化懸念も「診察病院少ない」
共立蒲原総合病院・土田知也医師:「後遺症は必ず感染者の3割から4割ぐらいは出てくるので、これから患者さんは増えてくると思う」
こう話すのは、富士市にある共立蒲原総合病院で、コロナの後遺症を中心に診療をしている土田知也医師です。
蒲原総合病院では、全国的に後遺症に悩む患者が増加していることを受け、今年5月に県内で初めてコロナ後遺症の専門外来を開設しました。
共立蒲原総合病院・土田知也医師:「一番困っているのは、皆さん倦怠感です。動いた後に強いだるさが出るのと、その数日後はもう動くのもやっとみたいな感じの倦怠感が特徴かなと。その他には味覚嗅覚障害や脱毛、慢性的というか毎日そういう症状が出ている」
頭がもやっとしたりや集中力が低下したりするなどの後遺症は、「ブレインフォグ=脳の霧」とも呼ばれています。
後遺症の患者が増加する原因となっているのが、変異株によって拡大した第5波。
こちらでは、開設当初の5月頃は患者数が2~3人ほどでしたが、第5波が拡大した7月~8月から患者が急増し、現在はその10倍近い25人程度が通院しています。
症状によって異なりますが、中には5月から現在まで通院している患者もいると言います。
共立蒲原総合病院・土田知也医師:「第一波・第二波とかって、味覚嗅覚障害だけって人もいた。最近はそれだけというよりかは何かいろんなだるさだったりとか、他の辛い症状も一緒に合わせてきてるようなそんな印象がある。変異株の方が感染力も強くて免疫異常も起こしやすいというのであれば、後遺症もやっぱ色んな症状が出るじゃないかなと」
また後遺症が長引くことで患者は精神面でも大きなストレスを受けるため、土田医師は最終的に精神的な問題を解決しなければ後遺症は完全に治ったとは言えないとも話します。
ただ問題となるのが、そうした後遺症に対応できる病院の数です。
コロナ後遺症の原因などは、まだ解明されておらず、決まった治療法も見つかっていないため、後遺症の診療を行う病院が少ない現状があると言います。
共立蒲原総合病院・土田知也医師:「これが特定の病院じゃないと見られないっていうことが、やっぱり問題だと思う。ただそのためには、この後遺症ってどんなものでどういう評価をして、どういう治療をしていくべきか、正しい情報をまとめて、国としてガイドラインみたいなものを出す必要があると思う。後遺症でお困りの方がいた場合、必ずゴールがあると言うか、ちゃんと超えていくポイントがあるし、いいところまで体調戻りますのでそこは悲観しないで欲しいなと思う」