争点は伊豆山の復旧・復興以外にも… 新人と現職の一騎打ち 市長選で両候補が示す観光地・熱海の再生策とは

任期満了に伴う静岡県の熱海市長選挙が4日に告示され、現職と新人の一騎打ちとなりました。

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争点は伊豆山の復旧・復興以外にも… 新人と現職の一騎打ち 市長選で両候補が示す観光地・熱海の再生策とは

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 両候補が挙げる最大の課題は伊豆山地区の復旧・復興です。熱海市長選挙には届け出順に新人の泉明寺みずほ氏(51)と現職の斉藤栄氏(59)の2人が立候補しています。

泉明寺みずほ氏

画像: 泉明寺みずほ氏

泉明寺みずほ氏:「1年間、責任も所在のありかもしっかりと自分に受け止めない。そういう方を4年間、そんな方に市政を任せることができますか。私は責任をとるために市長になります」

 初当選を目指す泉明寺みずほ氏は1970年生まれの51歳。前熱海市議で、現在熱海今宮神社の宮司を務めています。泉明寺氏は第一声が終わると、土石流の被災地伊豆山地区で街頭演説を行いました。

泉明寺みずほ氏:「これから大切なのは、この被災地で皆様方の本当の声をそこで吸い上げて、正しき判断のもと復興計画、さらに自主計画に進めていくことだと考えている」

 今回の選挙戦では被災者の生活再建を最優先とした上で、市役所内の女性管理職を増やしていくことや市長の多選自粛条例を制定することなどを訴えています。

泉明寺みずほ氏:「本当の復興を早くするためには、やはりたくさんの対象の方たちと対話をすることこそ早道だと考えている。まずは対話こそ命であると復興への一番の最速の手段だと考えている」

斉藤栄氏

画像: 斉藤栄氏

斉藤栄氏:「私は決して逃げません。私は決して途中で放り出しません。どんな困難があろうとこの熱海を、熱海の未来を必ず切り開いてまいります」

 5期目を目指す斉藤栄氏は1963年生まれの59歳。旧国土庁職員や国会議員秘書を経て、2006年から市長を務めています。

 斉藤氏も第一声が終わると、泉明寺氏と同じく被災地の伊豆山地区に。

斉藤栄氏:「流されてしまった地域のコミュニティ施設。今目の前にある第4分団詰所。消防の拠点となるところも改築して参ります。そういった社会資本の
整備を市は責任をもって進めてまいりたいと考えている」

 斉藤氏は伊豆山復興計画に基づいた被災者支援を進めることや、子育て世代を支援するため認定こども園の整備を進めることなどを訴えています。

斉藤栄氏:「1日でも早く帰りたいと、もちろん帰りたくないという方もいらっしゃいますが、多くの方は帰りたいという、また仕事を再開させたいとその思いを1日でも早く実現させるのが自分の使命だと思う」

被災した熱海市民は…

画像: 被災した熱海市民は…

今回最大の課題となるのは、両候補が公約に挙げた伊豆山地区の復旧・復興。
市民は次の4年間で、早急な対応と原因究明を望んでいます。

土石流で妻を亡くした田中公一さん:「今、湯河原とか三島だとか皆さん出されている。そういう方々の帰って来る場所が確保できないでいるので、その辺を早急にやってもらいたい」

土石流で自宅が流された太田滋さん:「私たちの思っている復旧・復興と行政が思っている。復旧・復興の形というのは離れていると思う。私たちも行政に話をするし、行政の方からも私たちに話を持ってきてくれるような人がいいと思っている」

課題は観光地・熱海の再生にも

画像: 課題は観光地・熱海の再生にも

土石流災害の他にも課題が。観光地熱海の再生です。熱海市の宿泊客は2019年度の300万人をピークに減少。新型コロナや土石流災害の影響を受け、昨年度の宿泊客は170万人まで落ち込みました。

泉明寺みずほ氏:「熱海にはいっぱいオンリーワンがある。海、山、もちろん花。そしてカルチャー、文化、伝統、温泉。これをひっくるめて熱海のオンリーワン、その先にこの街に住もうという希望をもって訪れてくれる」

斉藤栄氏:「これから海上花火大会を追加し、中京圏へのプロモーションの充実、そして平日の旅館ホテルの利用、こういったことを5期目を当選させていただいたらすぐに着手して進めていきたい」

 伊豆山地区の復旧・復興と観光地の再生事業。市民の選択は…。投票は繰り上げとなる初島を除き11日に行われ、即日開票されます。