一番つらかった症状は嗅覚障害が21%、脱毛と味覚障害が11%、倦怠感と息苦しさが9% 静岡県が新型コロナ後遺症に関する調査の結果を公表

感染拡大が続く中、静岡県は新型コロナの後遺症に関する調査をまとめて公表しました。感染から4週間以上たっても頭痛などの症状が残る人たちがいることがわかりました。

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一番つらかった症状は嗅覚障害が21%、脱毛と味覚障害が11%、倦怠感と息苦しさが9% 静岡県が新型コロナ後遺症に関する調査の結果を公表

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 静岡県が去年12月からネット上のアンケートフォームを通じて実施していた、新型コロナ患者の後遺症調査。先月31日までに149人から回答があり、22日その結果が公表されました。

県健康福祉部 
後藤幹生参事:「ある程度後遺症でお困りの方、以前すごくつらい症状があったといった方の回答ですので、医学的に見ると前向き調査じゃなくて後ろ向き調査で。医学的には精度が高いものではないと思いますけど、県としてはどういうお困りの具合があったのかということを一番知りたかったという点で、こういった対象と方法にしています」

 今回の県の調査における後遺症の定義は、「新型コロナ感染後、4週間以上症状が続き、他の疾患では説明がつかない」こと。回答があった149人のうち、およそ3分の2は女性でした。年代別にみると、40代が43人で最も多く、次いで30代が37人、50代が28人と、この3つの年代で全体のおよそ7割を占めています。

県健康福祉部 
後藤幹生参事:「30代~50代の方はまだデルタ株の流行期の去年7月8月には、ワクチン接種が完了していない方が多かったという時期だと思います。ですので、(回答者のうち)陽性判明時に接種してない方が8割いらっしゃったという状況になります。第5波の前にもう少し早くこういった年代の方で、接種が完了していれば後遺症が少なかったかもしれないという忸怩たる思いがございます。接種者は後遺症が出にくいということがオミクロン株でも成立するのであれば、感染はするけれども、後遺症となる方は少なくなっていてほしいという希望的な思いがございます」

 回答者が陽性となった時期は去年8月が全体の半数以上で最も多くなりました。今回の調査では現在主流のオミクロン株患者は含まれていません。第5波まで主流だったデルタ株は、発症時の症状として味覚・嗅覚障害が特徴でした。後遺症でもそれらの症状に長期間悩まされるケースが多いようです。

 回答者が後遺症で一番つらかった症状と回答したのは嗅覚障害が21%で最も多く、次いで、脱毛と味覚障害がそれぞれ11%、倦怠感と息苦しさが9%でした。

県健康福祉部 
後藤幹生参事:「最も多いときにはにおいが4割の方で全くわからないと。味も3割の方で全く分からないという状況になっており、現在も5割、半数近くの方は症状が残っている。あと、脱毛がまだ残っている方が多い。脱毛は専門の先生に伺いますと、6カ月ぐらいするとまた戻ってくる、生えてくるということで(回答者は)その時期に達していないのかもしれません」

 また、回答者のおよそ3分の2は後遺症によって仕事に影響があり、そのうちのおよそ4割が仕事の内容を変えたり、退職や休職したりしたそうです。現在、県内では17の医療機関が後遺症患者を診療していると公表していて、県によりますと、実際には30以上の医療機関で診療した実績があるといいます。

県健康福祉部 
後藤幹生参事:「今後発症時期から半年後、1年後というときに追跡をさせていただいて、症状があった方がどうなっているのかというのを見ていこうと考えています。現在のオミクロン株は1~2割と味覚・嗅覚障害の方が急性期に減っているので、後遺症が残る方も減ってくればいいなと個人的には思っています」