新型コロナ感染者急増…専門医は「今までの波とは性格が違う」「私の中では『コロナ風邪』」 ただ接種はしてほしい 静岡

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
「本日7月8日の県内の新規感染者数は1034人ということで、5月21日以来の1000人台となっています」

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新型コロナ感染者急増…専門医は「今までの波とは性格が違う」「私の中では『コロナ風邪』」 ただ接種はしてほしい 静岡

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 静岡県内では8日、1034人の新型コロナウイルス新規感染者が確認されました。2日から8日までの1週間の累計は4479人。前の1週間の累計と比べて2倍以上増加しています。この状況に、県は危機感を示しています。

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静岡県 杉山隆通危機報道官
「次第に置き替わりが進んでいると予想されているBA.5。これは感染力が非常に高いと言われている。本日時点では評価レベルは1。しかし、新規感染者数は全国的にも急増していて、来週にはレベル2へ移行せざるを得ないと見込んでいる。特にこれから夏休みを迎えますので、子どもさんや若い方を中心に、人が多く集まる場所への外出移動につきましては、基本的な感染防止対策を徹底されますようにお願いをするところです」

「全国旅行支援」も延期の方向で調整

 感染者数急増の状況を踏まえ、政府は今月前半からの開始を検討していた観光支援策「全国旅行支援」を延期する方向で調整に入ったことが分かりました。「全国旅行支援」は、現在、都道府県ごとに行われている「県民割」を、全国に拡大するもので、1人1泊あたり最大1万1000円が補助されます。

 政府関係者によると、開始時期はお盆などの旅行需要が高い8月を避け、秋以降とする案が浮上しています。

専門家は「今までの波とは違う」

 「第7波」とも言われる現在の感染状況について、県の専門家会議の委員を務める浜松医療センターの矢野邦夫医師に聞きました。

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浜松医療センター 矢野邦夫医師:「現在感染者数は急増しているが、最大の理由は人の流れ、人流の増加」

Q.久しぶりに県内でも1日の感染者数が1000人を超える状況。静岡県も第7波に入ったといってよい?

A.「感染者の数をみると第7波に入ってきたと思うけれど、今までの波とはちょっと性格が違う。第4波はアルファ、第5波はデルタ、第6波はオミクロン。これは従来流行していた変異株よりも明らかに感染力が強い変異株が出現することによって大きな波ができたが、今回の第7波は人の流れ 人流の増加によって大きく作られた波になるので、性格は変わる」
「現在「BA.2」から「BA.5」に移行しつつある。「BA.2」と「BA.5」の感染力の違いはデルタとオミクロンほどではない」

「私の中では“コロナ風邪”」ただ接種はしてほしい

 矢野医師によると、今回の「第7波」は患者の重症度に大きな違いがあるといいます。

Q.現状の感染者の状況で、軽症が多いのか中等症が多いのか?

浜松医療センター 矢野邦夫医師:「今の感染者のほとんどが軽症。ごく一部中等症の患者もいるが、酸素が必要な方や人工呼吸器が必要な方もほとんどいない状況」

Q.BA.5に対してそこまで過度に恐れる必要はない?

A.「そうです。BA.5は人流の増加に伴ってかなり増えてくるかもしれないが、私の中では“コロナ風邪”になっている。新型コロナというイメージではなく、“コロナ風邪”が流行するだろうなと。その中で一部の方が重症化するといけないので、多くの方、特に若い方にはブースター接種をお願いしたいと思うし、高齢者の方で症状があったらちゃんと病院に行ってほしい。そういったことがされることによって、単なる“コロナ風邪”として認識したいと思っている」
「重症化の人が増えてくるようになったら緊急な状況だが、感染者が増えることによって恐れることはないと思っている」

「熱中症」を優先して対策を

「BA.5」について過度に恐れる必要がないという一方、高齢者も若い世代も注意したいのが、梅雨明けから増加している熱中症です。

Q.大変暑くなってきました。マスクはどこまで必要?

浜松医療センター 矢野邦夫医師:「若い方はコロナに感染しても重症化しない。でも熱中症になれば重症化する。高齢者もブースターを打っているので、コロナに感染しても重症化しないが、熱中症になれば重症化する。これからはコロナ対策と熱中症対策を比較した時に、優先すべきは熱中症対策。屋外ではマスクを外していただく。周辺1.5mに誰もいなければマスクを外していただく。例えば狭い部屋に複数の人がいてその部屋が暑ければ、その時はマスクを外す。コロナ感染はあるかもしれないが、熱中症対策を優先してもらう。マスクの着用を減らしていくべきだと思う」