中吊り広告は…若きクリエーターの作品 鉄道会社「プロとしてみている」 静岡市

静岡市内を走る静岡鉄道の車内に、乗車時のマナーを呼び掛ける中吊り広告があります。

画像1: 中吊り広告は…若きクリエーターの作品 鉄道会社「プロとしてみている」 静岡市

 静岡市内を走る静岡鉄道の車内に、乗車時のマナーを呼び掛ける中吊り広告があります。

画像2: 中吊り広告は…若きクリエーターの作品 鉄道会社「プロとしてみている」 静岡市

「電車の中では通話はやめましょう」

画像3: 中吊り広告は…若きクリエーターの作品 鉄道会社「プロとしてみている」 静岡市

駅のホームにも、スマートフォンの使用に注意を促す広告が。 「まもなくで電車がきます スマホはしまって待ちましょう」

広告の制作者は…

 特徴的なイラストが目をひく2つの広告。乗客からも評判がいいようです。 乗客:「乗る度に見ている、いいじゃないですか」

乗客:「よく見る電車の中吊りのものよりは、キャラクターがかわいらしくて」

乗客:「かわいいと思う。携帯をちゃんと中にしまっていて、わかりやすい」

画像: 静岡デザイン専門学校

静岡デザイン専門学校

 実はこのマナー広告、プロの作品ではありません。

静岡鉄道鉄道部 浅井将勝副部長:「静岡デザイン専門学校の学生の作品です。デザインの勉強をしているので、将来そういった仕事を目指しているということもあるので、当社としても応援も兼ねて依頼して、ポスターを制作してもらいました」

 広告の作り手は、静鉄・日吉町駅のすぐ近くにある静岡デザイン専門学校の学生たち。毎年、学生が提出した作品の中から静岡鉄道が優秀作品を選んで採用しています。

静岡鉄道鉄道部 浅井将勝副部長:「乗客に訴えるものなので、広告として見ている。学生の作品というよりも、完全なプロとしての位置づけで見ています」

画像: 広告の制作者は…

 学生がデザインのプロとしての『洗礼』を受ける場ともなっているこの広告。今年、採用されたのは3年生の長田裕子さんと2年生の久保田麻衣さんの作品です。

静岡デザイン専門学校3年 長田裕子さん:「工夫したところは、キャラクターは親しみやすい食べ物のキャラクターを作って、(スマホを)はさみやすいフォルムのものを選んだ。見ている人が極力不快に思わないような、どちらかというと、ほっこりしながらマナーの事も伝えられるような、そういう作品を作ろうと思った」

静岡デザイン専門学校2年 久保田麻衣さん:「動物にしようということは考えていたが、どんな動物にするかはずっと悩んでいて、静岡の人を動物に例えると何だろうなと考えて、親と相談したら犬なんじゃない? という話が出て犬にしてみました」

動画広告も…

画像1: 動画広告も…

 採用される作品は中吊り広告だけではありません。動画広告もあるのです。実は先日、今年の最優秀作品が選ばれたばかり。車内のディスプレーで来週から流される予定です。

 動画に音声はありません。座席の使い方のマナー向上が狙いです。悪い座り方、いい座り方を見せて、他の乗客の邪魔になっていないか、注意を促します。  動画を作ったのは3年生の横山文夏さん。足元だけを捉えた映像のアイディアは、日常のワンシーンから湧き出たものでした。

静岡デザイン専門学校3年 横山文夏さん:「私自身電車を使って通学するので、つり革などにつかまっていると、人の足元がよく目に入る。電車に乗っている人がよく目にする光景というところから、インスピレーションがわいた」

 横山さんはユーチューブなどで流れている静岡デザイン専門学校のCMも手掛けた実績の持ち主。卒業後はコンピューターグラフィックを制作する仕事に就きたいそうです。

画像2: 動画広告も…

若きクリエーターたちの作品

静岡デザイン専門学校3年 横山文夏さん:「今、3DCGのアニメーターを考えていて、実写に出てくる架空の生き物の3DCGだったり、実写に限らずアニメーションだったり、もしくはゲームの中に出てくるキャラクターとかけっこう幅が広くあります」

 中吊り広告が採用された長田さんと久保田さんもイラストの技術を生かした仕事に就くのが夢。3人とも今後の活躍が期待されます。

 通勤や通学中の電車の中で、何気なく見ている広告が、未来の有名クリエーターたちの若き日の作品になる、かもしれません。

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