「遅くとも2016年から…」検察側指摘 ワカメ偽装事件初公判で元食品会社社長は起訴内容認める 静岡地裁
ワカメの産地を偽装した罪などに問われている男の初公判が静岡地裁で開かれ、男は起訴内容を認め、検察側は懲役10カ月を求刑しました。
起訴状などによりますと、静岡市の食品加工会社元代表取締役の男(80)は去年11月、外国産ワカメに「鳴門産」と書かれたステッカーを貼って産地を偽装し、取引先に販売するなどした罪に問われています。静岡地裁で開かれた初公判で男は「間違ったことはありません」と起訴内容を認めました。冒頭陳述で検察側は「遅くとも2016年から外国産のワカメを国産と偽り、販売を繰り返した」などと指摘しました。また、逮捕される前、男の会社に県の立ち入り調査が入った翌日、心配する従業員に対し男が「大丈夫だから。グレーだから。海はつながっている」と話していたことも明らかにしました。被告人質問で男は「従業員に仕事を与えるために、分かってはいたが、つい安いワカメを買った。食の安全を汚してしまい申し訳ない」と話しました。裁判は即日結審し、検察側は「悪質な犯行で代表取締役として従業員に犯行の指示をしていた責任は重い」などとして懲役10カ月を求刑。一方、弁護側は「深く反省し、すでに会社も辞めている」として情状酌量を求めました。判決は来月14日に言い渡されます。