【リニア新幹線工事】ボーリング問題 3月専門家部会を開きJR東海に説明を求める方針 静岡県川勝知事

リニア新幹線の工事を巡りJR東海が山梨県で進めているボーリングについて、川勝知事は28日のの会見で「即やめるべき」と改めて不快感を示しました。

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川勝知事:
「何を急がれているのかという感じがする。遅れている他の仕事もあるだろうし、差し当たりここで立ち止まって、いま我々が進めている双方向のコミュニケーションに専心されるべきだと考えている。」

 28日午後2時から開かれた、川勝知事の定例会見。
 
 知事が苦言を呈した相手、それは…

 リニア中央新幹線の工事を行うJR東海。

 2027年品川―名古屋間の開業を掲げていますが、静岡県はリニアのトンネル工事による、大井川の水や南アルプスの自然への懸念などから工事を認めておらず、予定通りの開業は極めて厳しい状況に…

 27日、その南アルプスを上空から眺めてみると…半月状の湖が特徴的な田代ダムは、半分ほどが氷に覆われていました。

 冬場は水が少ないこともあってか、上流部では川底が露わになっている場所も…

 リニア工事の静岡工区で最も北にある「西俣ヤード」には工事のものとみられる建設資材は置かれていましたが、建物や人の姿は見られませんでした。

 しかし、同じ南アルプスでも、東側の山梨工区では着々と工事が進められています。

JR東海の文書から
2月21日より、山梨県内でのボーリング調査を進めてまいります。

 山梨工区でのトンネル工事は、静岡県側に向かって掘り進められていて、その先端は、県境からおよそ800mの所まで迫っています。

 そんな中、JR東海は本体工事の前に小さな穴をあけ、地質や湧水の「調査」をするためという主旨でボーリングを先週からスタートしました。

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 ボーリングでは、湧き出た水の量を継続的に測ること、県境100mに近づいてからは、特に慎重に作業を行い、湧水の量が基準を超える場合は、作業を中断して対応を検討することなどが、JR東海から示されています。

 これに対して、川勝知事は…

川勝知事:
「けしからんこと。双方向でのコミュニケーションを約束したはずなのに、リニア対策本部長(森副知事)からJRの責任者にこちらの意見を言ったが無視された」

 JR東海が、十分な説明もなく、一方的にボーリング調査を始めたと、県は反発。
JR東海が示した文書では、「県の懸念や要請に対する回答として十分とは言えない」として文書を通じ、計画を考え直すことなどを求めていました。

28日の知事会見

 28日の会見でも…

川勝知事:
「彼らの資料に基づくと、静岡県側における断層帯と山梨県側の断層帯は明らかに繋がっていると読み取れると。これの説明が必要である」

 川勝知事は、JR東海の資料を基に、山梨県側の地質のもろい区間が、静岡県側の断層帯とつながっている可能性を指摘。

 ボーリングによって、静岡県の水が山梨県側に流れ出る恐れがあると強調しました。

 さらに、JR東海が特に慎重を期すという県境から100mの区間についても、設定した根拠にも疑問があると批判。

 3月中旬までに専門部会を開き、JR東海へ説明を求めることを明らかにしました。

川勝知事:
「やっぱり説明してもらわなきゃいかんと、説明するまで、こちらに納得するまで。双方向のコミュニケーションがきっちりできるまでは
工事に着手するべきではないと、即やめるべきである」

画像: 28日の知事会見