「有観客」開催で子ども大興奮 飲食店店主は浮かない表情「オリンピックに期待していたので、キツイ」 静岡・御殿場市など
林輝彦アナウンサー:(26日 御殿場駅前):「オリンピックの開会式から一夜明けました、静岡県内では自転車競技が行われるということで、朝から多くの方で賑わっています」
「子どもも一生に1回見られるかどうかのオリンピックなので…」
県内で最初に行われたのは自転車の男子ロードレース。24日の朝、JR御殿場駅前にはゴールの富士スピードウェイに向かう人たちの姿が。他県で無観客開催が相次ぐ中、静岡県では観客を入れて開催されます。
佐賀県から来た観客
「富士スピードウェイでしたら屋外ですし、風も通りますので、換気的な問題はないと思います。あとは観客の密具合ですね」
東京から来た親子
「子どもも一生に1回見られるかどうかのオリンピックだと思うので、観戦に連れて行けたのは良かった」
観客を乗せたバスが続々と会場入り。富士スピードウェイでは、観客の上限は1万人です。
東京都からの観客
「2年前にチケットが当たり、やっとという感じ。勝負事なので観客を入れて生で見られるのはうれしい。ワクワクしている」
パブリックビューイング…声出せず、「鳴り物」でエール
斉藤慎一朗記者:
「小山町にはパブリックビューイングの会場が設置され、多くの人が集まりました。声は出せないが、こちらの鳴り物を使って選手にエールを送ります」
感染防止のため、入場できるのは事前に予約した県民500人限定です。
静岡県藤枝市の女性
「子ども(2歳)にオリンピックを少しでも体感してほしくて来た。大人になったときに一緒にオリンピックを見たね、と言えるようになれば」
レースは午前11時、東京・武蔵野の森公園をスタート。東京・神奈川・山梨・静岡の1都3県を駆け抜ける、走行距離244キロのコースです。
予約で満席となった小山町のパブリックビューイング会場。その人気の要因は…。
「飛び出して、自分たちのチャンスを広げるアーリーアタックと呼ばれている…」
会場ではロードレースの元プロが解説をしています。
世界的にはメジャーなスポーツとされるロードレースですが、今回、テレビの中継はなく、生配信の映像には日本語の実況がありませんでした。
地元・小山町の男性
「ここなら解説を聞ける。沿道には行けないし、声も出せないが、ここから応援したい」
静岡市の男性
「解説を聞きに来た。無事開幕してくれてよかった」
スタートから3時間、先頭集団が静岡県に入りました。小山町・御殿場市・裾野市を走る県内のコースだけでも100キロ以上あります。
沿道に多くの観客が
斉藤記者
「富士スピードウェイからおよそ2キロほど離れた富士霊園に来ています、選手が通過する時間が近づき、徐々に人が集まって来ました、皆さんマスクを付けソーシャルディスタンスをとるなどコロナ対策をしながら選手が来るのを待っています」
大会組織委員会などは沿道での観戦自粛を要請していましたが、沿道には多くの観客の姿が…。
茨城からの観客 30代:「こういう競技は外で沿道で見られるっていうのが一番魅力だと思うので、選手を生で近くで見れるっていう自粛っていうのは厳しい、しょうがないという判断ではあるかなと」
埼玉県から自転車で来た観客 40代
「ソーシャルディスタンスを取れば全然大丈夫だと思っているので、距離を離して他の人と」
自宅の前がオリンピックのコースだという人も。
自宅前がコースの家
「最初は不安でしたけど、なんとか盛り上げたいなと思いまして工夫しました」
この家の3兄弟はお手製の国旗を作り、こいのぼりを飾って選手を応援します。
さらに、こんな人も…。
小山町民 30代
「今回声以外でも応援しようということで」
声を出さずに応援しようと、海外で応援に使われるカウベルを用意していました。準備は万全。選手の到着を今か今かと待ちわびます。
自宅前がコース
Q.スピードとか迫力はどうでしたか?
A.「速かった」
Q.日本の選手わかった?
A.「うん、まあまあわかった」
Q.どんなメッセージを届けました?
A.「がんばれ!ってメッセージ、日本が」
Q.勝ってほしい?
A.「うん」
ゴール直前の「激坂」では
林アナ
「自転車競技レース男子はレースが最終盤です、もうまもなく、こちら急勾配の坂、通称激坂と呼ばれている明神峠に選手たちが到着するという情報を聞きつけて、沿道に観客が集まり始まってきました」
レースの勝負所は、最終盤にある小山町の明神峠。最高勾配20%にもなる激坂です。中には、レース開始前の午前10時から待っているというファンも。
神奈川からの観客
「きのう神奈川から自転車で来ました」
林アナ「自転車で!」
A.「皆、自転車で来ました。ここは以前何回か登ったことありますけど、ここが一番キツイですよね。ここが勝負どころだと思いますよ」
そして、先頭集団がいよいよ明神峠に突入します。
この坂で徐々に振るいにかけられる選手たち。レースは熾烈な争いに。
林アナ
「先頭集団が明神峠に到着しました、200キロ以上走ってきた選手達が最後の難関、急勾配の激坂と呼ばれる明神峠に最後挑みます!」
「必死に最後の気力を振り絞って駆けあがって行きます」
「先頭集団到着です、最後の難関明神峠、激坂と呼ばれるこの急勾配を最後の力を振り縛って登りきります」
ゴール地点の富士スピードウェイ。やや密な印象はありますが、声を出さずに拍手で選手を迎える観客たち。レースはエクアドルのリチャード・カラパスが優勝を果たしました。
最後まで浮かなかったのは居酒屋の店長
斉藤記者
「シャトルバスが到着しました。駅では「直行直帰」が呼びかけられ、ほとんどの人が改札に向かっていく」
新型コロナの感染拡大を受け、観客に求められた直行直帰。
東京からの観光客
「バスで帰るんで時間までのバス待ち。飲みたい気分はあるけどしょうがない」
一方で、オリンピック需要に期待していたのが駅周辺の飲食店です。
居酒屋の店長
「ちょっと期待していた部分があったので、これだけ全く入ってこないのはお金(補助金)がもらえていない部分もあって厳しい」
観客を乗せたバスが到着すると、店長自ら呼び込みも。多くはありませんが、オリンピックの観客の利用もありました。
愛知県からの観客
「きょうは帰らずホテルに泊まるので、ちょっとその前にという感じ」
Q.行きづらさとかはある?
A.「そうですね、それは多少ある」
東京からの観客
「今から東京に帰ると東京はやっていないので、ご飯屋さんとかが。だからお腹をちょっと膨らましてから帰ろうかなと」
「まあ言わんとしていることはわかる、自分はお腹がすいて出来なかった」
直行直帰の呼びかけに最後まで浮かない顔だったのは居酒屋の店長。この日の売り上げは前日の売り上げを下回ったそうです。
居酒屋の店長
「どうしても結構オリンピックに期待していた部分があったので、きつい。イベントにどうしても懸けていたので…」