袴田事件 高裁が再審認める決定 久須美記者中継~決定のポイントは
久須美舞記者:
「午後2時に決定が出ました東京高裁の、すぐ近くの弁護士会館の建物内からお伝えします。
こちらでは午後4時から姉のひで子さんと弁護団による私たち報道陣に対しての記者会見が行われました。
まず、ひで子さんは、「きょう浜松の自宅にいた巌さんには、帰ってからいい結果が出たということを伝え、ゆっくり話をしたい」と語りました。
また、今回、争点となっていた5点の衣類について東京高裁は「犯行着衣であることについて合理的な疑いが生じた」などと
静岡地裁で出た決定よりもさらに一歩踏み込んだ判断となりました。
そして、衣類に付いた血痕には赤みが残っていないと評価できると結論付けました。
弁護団が特に強調した点としては、検察側の行った実験、衣類をみそに1年2カ月漬けて血痕の色の変化を見る際に、東京高裁の裁判長らが立ち会ったことが決定に大きく影響したという見方を示した点です。
高裁は、検察側が血の付いた布を白熱電球を用いて撮影したために赤みが増すような効果が生じたという認定をしている。
つまり、実際見たものよりも赤みが強く残っているという判断をした。
これについて弁護団は、裁判官を誤認させるような証拠なので不当だと検察を批判し、裁判長らが立ち会わなければ、ここまで踏み込んだ判断をしてくれなかっただろうと安堵した表情を見せました。
この後、検察側が特別抗告をする可能性があります。
期限となる20日までに特別抗告をしなければ、再審が開始されることとなります。