「まん延防止措置」再延長…専門家は「コロナ病棟を考えると継続でよかった」 静岡県

 再びまん延防止措置を延長する今回の判断について、静岡県の専門家会議の委員で、浜松医療センターの矢野邦夫医師は―

解除して愛知県や神奈川県からウイルスが入り込むと「耐えられない」

画像: 解除して愛知県や神奈川県からウイルスが入り込むと「耐えられない」

静岡県専門家会議委員 浜松医療センター 矢野邦夫医師:「感染の場は病院や高齢者施設、幼稚園・保育園、そこで起こっているので、まん延防止措置が本当に有効なのだろうかという疑問はあります。ただ、ここでもし、まん延防止が解除されて、愛知県とか神奈川県から人が流れてきてウイルスが入り込んできて、今の状況プラスアルファで感染者が増えると、ちょっと耐えられないかなと思うわけです。コロナ病棟のことを考えると、まん延防止措置は継続でよかったと思っています」

Q.再延長の要請の理由として妥当性はあると思いますか?

A.「私は妥当性があると思います」

第6波は高齢患者多くケア度が高い

 県全体の病床使用率は3日の時点で50%を下回りましたが、医療現場の負担は、一概に数字だけでは判断できないと言います。

Q.もしこれが2日の数字だったら、まん延防止は解除できたと思いますか?

矢野邦夫医師:「おととい50%を下回っていても、解除してほしくなかったと私は思います。第5波のデルタ株の時とは全然違うんです。デルタ株の第5波のときは入院患者のほとんどが65歳未満だったんですね、ところが現在は高齢者ばかりですから、本当にスタッフが疲れている。ケア度が高いので50%という数字を見て、これで病床が楽になったとは思わないでほしいと思います」

「呼吸できない、でも入院できない。それは絶対避けないといけない」

 延長期間のおよそ2週間で、県内の医療ひっ迫は緩和されるのでしょうか。措置を解除する条件については―

矢野邦夫医師:「しばらくは病床使用率の急激な減少はないと思っています。ゆっくりとウイルスが、感染者が減っていって、その結果、病床使用率が下がるのかもしれないんですけど、まん延防止措置がどのぐらい効果があるのかは全くわからないです。ただ、まん延防止措置を継続することによって、新たなクラスターを少しでも防いでくれればそれでいいのかなと思っています」

Q.感染者数が毎日1000人以上出ているような状況でも、医療状況が安定していれば解除はありうるということでしょうか?

矢野邦夫医師:「結局、コロナに感染して重症化した時に受け入れることが出来ない状況は絶対避けたいと思うわけです。呼吸ができない、でも入院できない。それは絶対避けないといけないので、そういうことが起こらないということが予測されるようならば、解除できるのかなと思います」