コロナ禍がラーメンの食習慣を変えた? 静岡市でも「冷やし中華…」ならぬ「朝ラーメンはじめました」 リピーター続出の秘密とは…
あったか~いスープに、ツルツルッとすする麺。みなさんはラーメンはお好きですか?実は今、朝に食べるラーメン「朝ラー」が熱いんです!
朝7時から大盛況
こちらは静岡市内のラーメン店。日曜の朝7時にこの賑わい。厨房もフル回転です。
客:「すごくおいしい」
客(女児):「ラーメンおいしいよ~」
客:「きょうでもう10回以上」
客:「毎週来てますね」
このお店があるのは、静岡市駿河区用宗。港のすぐそばに2021年4月にオープンしたヌードルキッチン・テラコスタです。海が見えるテラスもあるオシャレな店内で楽しめるのは、イタリアンテイストのラーメン。朝7時からトマトや煮干しなどのラーメンが、500円から食べられるんです。
スミス春子アナウンサー:朝の込み具合がすごいですね?
ヌードルキッチン・テラコスタ
寺田豊 オーナー:「毎週本当にたくさんのお客さんが来てくれて、だいたい今日で180人ぐらい。今日は途中でスープが売り切れた。朝の分のスープが」
スミスアナ:大人気の朝ラーメン。始めたきかっけは?
寺田オーナー:「ここが用宗ということで、漁師さんの港町。朝オープンした方がお客さんの動きがあるのかな?と思って」
朝ラーメンが習慣に…
しかし、いざオープンすると、意外な展開に。
寺田オーナー:「正直言って、そんなにたくさんのお客さんが来るとは思ってなかった。思ったよりたくさんの反響があり、小さい子供を連れた家族から、年配の夫婦で来る客、赤ちゃん連れてきてくれる客など、思った以上に
いろいろな客が来店してくれて、びっくりしている」
地元客はもちろん、家族で出かける前に立ち寄る客など幅広い層が訪れているのです。こちらは静岡市内から来たお父さんと二人の息子さん。
客:「祝日や日曜日など、子どもの休みの時に時間が合えば、朝ラーイコールテラコスタ」
スミスアナ:最近始めた?
客:「コロナの状況もあって、多少子どもによれる時間が増えたのがきっかけ」
客:「朝出かける前に朝食で来ている これからドライブ、伊豆の方まで」
客:「子どもがすごく好きで、いつも行こうって」
スミスアナ:「ラーメンどう?」
客(子ども):「おいしいです」
スミスアナ:「これからどこか二人でお出かけ?」
客:「これから焼津の方まで。毎週土日はいつも孫をあずかるので、孫がもう大好きで」
スミスアナ:「まだ朝7:30ですが、ラーメンのために皆さんで早起きを?」
客:「ほんともう習慣です。」
コロナ禍で夜の外食が減少
最近、朝から動き始める人が増えているようなんです。
寺田オーナー:「やっぱりコロナの影響で、外食はしづらくなったところで朝の方が動きやすくて、朝だったらちょっと行ってみようかな?という心境もあるのでは」
コロナ禍によって夜外食する機会が減少。その代わりなのか、朝の時間帯にお店での食事を楽しむ人が増えているのです。
寺田オーナー:「徐々に徐々に、常連の客も増えているけど、新しく来る客も本当に毎週たくさんいる。問い合わせも多い。広範囲でたくさんの客が増えてきている実感がある」
朝ラーメンは、もともと藤枝市を中心に根付いていた食文化。お茶どころである藤枝地区では早朝から仕事をする人が多く、農家やお茶関係者たちが仕事終わりの腹ごしらえにと、朝からラーメン店に並んだことがルーツといわれています。それが今、コロナの影響を受けて広がりを見せているのです。
創業100年以上の老舗も「朝ラー」に参入
静岡市内でも、2021年ごろから祝日や週末を中心に朝の営業を始めるお店が増えています。
スミス春子アナウンサー:「創業100年を超えるこちらのお店でも朝ラーメンを始めました」
静岡市の浅間通りにある第二美濃屋。1919年創業の老舗です。丁寧にだしを取った透き通ったスープ。昔ながらの味わいが多くのファンを長年引き付けています。こちらで朝に人気のメニューがこの塩ラーメン。
スミスアナ:「優しい味、塩味が繊細。(麺をすすって)細麺が優しい塩味に絡んでおいしい。どこか懐かしさを感じる。朝にラーメン、初めてだけど朝ラーいいですね。はまりそう」
こちらのお店が朝ラーメンを始めた背景にもコロナの影響がありました。
第二美濃屋 6代目店主
吉田弘恵さん:「コロナで夜のお客さんが来なくなったのもあり、夜がだめなら朝でもやってやろう!という気持ちもあった」
それまで午前11時だった開店時間を、2021年の秋7時からに変更。夜まで通しで営業することに。そして値段は通常600円のラーメンを朝10時までは400円とお得に。
吉田さん:「朝、食事しない人が大勢いると思って、安い値段で朝食べてもらったら、元気にお出かけできると思って」
こちらは昔からの常連さん。
常連客:「週に3回ぐらい」
最近は朝の清掃ボランティアをした帰りに、朝食としても食べに来るようになったそうです。
スミスアナ:「しっかり完食されて」
客:「おいしかったです」
スミスアナ:「これからどこかへ?」
客:「仕事です。パワーいただきましたので頑張ります」
昔からの常連さんのほか、看板などを見て来店する新規のお客さんも増えたそうです。
吉田さん:「(お客さんが)また来るねと言って喜んで帰る。うれしいですね。あたしはお休みなしで頑張ってるもんですから、うれしく思います」
朝からすする一杯のラーメン。朝ラーはコロナ禍で人々が見つけた楽しみの一つとして広がりを見せています。