静岡・川勝知事の不信任案提出へ…「コシヒカリ発言」めぐり 県民は「やめるべき」「一言多いと揚げ足とられて大変」
静岡県 川勝平太知事(12日):「あの発言は誠に無礼極まりないものでございました。それゆえ、これを全部撤回して、特に御殿場の皆様に対して、衷心より深くお詫びを申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」
紆余曲折の末、川勝知事が全面的な謝罪に追い込まれた「コシヒカリ発言」。知事の謝罪を受け、御殿場市の勝又正美市長は…。
御殿場市 勝又正美市長(12日)
「一つの区切りだと思っています。その後の責任等の問題につきましては、やはり県議会の方がやるべきであると、私は思っています」
自民改革会議は不信任案提出へ
焦点は、県議会における知事の責任追及に移りました。県議会最大会派・自民改革会議は、知事の辞職を求めて不信任案を提出する方針を示しています。
自民改革会議 野崎正蔵代表
「不信任案を提出して参りたいと考えている。全部で51名の賛同者がないと可決成立をみないということなので、(県議)それぞれの良心に訴えながら成立を目指してまいりたいと考える。」
不信任案提出は、静岡県議会では48年ぶり。仮に不信任案が可決されれば、知事が失職か県議会解散を選択することになります。知事が失職を選択すれば50日以内に知事選が、県議会解散を選択すれば40日以内に県議選が行われることになります。つまり、年末年始にまた全県での選挙が行われる可能性が出てきているのです。
自民改革会議 野崎正蔵代表(12日)
Q.不信任決議案が可決されると知事辞職、または議会解散となるが、県政の停滞を招くことになって、これから新年度予算編成にあたって批判があると思うが?
A.「県政の停滞というが、知事には職務代行がしっかりいる。静岡県はそんなやわな県庁ではないと思っていて、ただ今回は、知事の言動が大きく問題とされているので、それに対して我々の意思をしっかり示したい」
Q.議会が解散されて、県議選になるかもしれないが、それでも、そのことも覚悟の上?
A.「当然、知事に辞職を求めるということは、知事お辞めくださいということなので、そういった覚悟を持ってやっていく」
可決のためには知事与党切り崩しも必要
不信任案の可決は、県議会の4分の3の賛成が必要という高いハードルがあります。全県議67人のうち51人の賛成しなければ、不信任案は通らないのです。過半数を占める自民改革会議の40人がまとまって賛成しても、11人足りません。そこで、鍵を握る存在としていま注目されているのが、5議席を持つ公明党県議団です。自民としては、〝知事与党〟のふじのくに県議団を切り崩す必要もありますが、その前提として、公明党が同調して賛成してくれなければ、可決は困難になるからです。
公明党県議団 蓮池章平団長(12日)
「公明党の県議団としては、自民党が出された不信任についての結論はまだ出ていない」
公明党県議団は、問題の演説については「地域差別的内容」であったとして、自民会派とともに知事に抗議文を提出していますが…。
公明党県議団 蓮池章平団長(12日)
Q.知事を辞めさせるというのは自民党と一致?
A.「そこはまだ明言はできない。基本的に今回の発言も含めて政務、公務という立て分けでやる川勝知事のやり方そのものが公務を混乱させる、実際問題混乱しているので、これが繰り返されるのはどうなのかということは考えている」
川勝知事は、蓮池団長がこう発言した直後に行われた会見で、選挙応援などの〝政務〟を当面封印する考えを示しました。
静岡県 川勝平太知事(12日)
「あれほどの大きな間違いをしたわけです。ですから政務ということで言い訳できるものではありません。そうしたことについて、きっちりと整理ができるまでは、政務活動をするべきではないと自らに言い聞かせている」
注目の公明は週内にも結論
今現在、公明党県議団は不信任案に賛成か反対かどのように考えているのでしょうか。動向が注目される蓮池団長は15日、静岡朝日テレビの取材に「不信任案の対応については、現在も検討中です。いま知事選や県議選をやることについては賛否両論があることは承知しています。知事の発言は許せないという意見もある一方で、謝ったのでいいのではないかという意見もあり、週内には公明党県議団としての結論を出す予定です」と話しています。
静岡県民は
宮崎アナウンサー
「コシヒカリ発言は、知事失言の問題から、知事辞職の可能性をはらんだ進退問題へと、新たなステージを迎えています。この状況を県民はどのように捉えているのでしょうか?」
焼津市民 50代女性:「今までどういう考えを持ってきていたのか。それが言葉になってしまっているから、どちらかって言われたら辞めた方がいいんだと思います。他にどなたかいるのであれば、もっと考えていかなければならないですよね、選ぶ側が」
静岡市民 70代男性:「川勝さんももうこの時分でいいんじゃないのかな。いま何か一言多いと、いまこの時代、揚げ足取られちゃうから、大変だと思う」
Q.知事の辞職については?
A.「どちらでもいい」
80代女性:「静岡県全体をいかによくしていくかという立場にある人があちらの町は、こちらの町で、ああいった差別の発言をすることは、失格ではないかと思った。これは知事が言うべき言葉ではないし、もう辞任するべきことじゃないかと思ったぐらい」
静岡市民 20代男性:「そういう決断(不信任案提出)に至ること自体は良いことというか、ひとつの手なのかなって思います。僕はそんなに(知事)否定派ではないので、また気を新たに頑張ってほしいと思う」
静岡市民 40代女性:「(不信任案提出は)仕方がないかなと思う。本当は(辞職)してもらいたくないんですけど。やっぱりリニアのこととかも、私はリニアどうかなって思っている方なので、ちゃんと謝られたから、それはそれでまた頑張っていただきたいなと思っています」
Q.もし知事が辞めれば再び選挙を行うことになるかもしれないが?
A.「それも税金もかかるし、ちょっと無駄かなっていうのは思います」
(11月15日放送)