プロレスは地域を元気にする「必殺技」!? 企画したのはいじめられた経験がある男性「いじめ撲滅」も願い 静岡・伊東市

 10日はスポーツの日です。静岡県伊東市ではプロレスを通じて地域を元気にしようという取り組みが行われています。企画した男性はその先に「いじめ撲滅」というもう一つの目標も見据えていました。

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プロレスリングZERO1 馬場拓海選手:「ビーチで出来るのは、すごく僕らとしては魅力的ですし」

ブラジリアン柔術 武井昭博選手:「『土曜日だったら行けたのに』という人、結構いたんですよね」

七星選手:「イベントをやりたい、くすぶっている方もいるので」

 伊東市でプロレスラーたちが集まり、議論を交わしています。彼らが振り返るイベントとは…。

ビーチに特設リンク

画像1: ビーチに特設リンク

 8月末の日曜日。伊東オレンジビーチに、特設リングが登場しました。

 このイベントを企画した虫明弘雄さん。2年前に大手スーパーを辞めて、生まれ育った伊東に帰ってきました。「オレンジビーチプロジェクト」という市民団体を立ち上げ、地域活性と青少年育成に取り組んでいます。

虫明弘雄さん:「コロナや経済、いろんなことに立ち向かっていく強さを伝えていく、子どもたちに伝えていくメッセージになればと思いまして」

アントキの猪木「伊東の皆さん、元気ですか!」

 「伊東の町や子どもたちを元気にしたい!」。クラウドファンディングや協賛金、グッズ販売などでおよそ260万円を集め、無料のプロレスイベントを開いたのです。

 こんなマスクマンも登場させました。

アントキの猪木 「ヤーマン、ヤーマン、ヤーマン出てこい!」

 オオムロ・ヤーマンです。名前は伊東の観光名所、大室山に由来しています。

画像2: ビーチに特設リンク

 オオムロ・ヤーマンがデビュー戦を勝利で飾りました。リングに上がった虫明さんは…。

虫明弘雄さん:「ヤーマンは伊東を、この伊豆半島を盛り上げるスーパーヒーローにします」

アントキの猪木:「伊東にプロレス、ヤーマン、プロレスを通じて地域創生、地域経済の発展を当たり前にする、そういう事だな」

虫明さん:「そうです。当たり前にします」

画像3: ビーチに特設リンク

「いじめ撲滅プロレス教室」

 このイベントには、もう一つの狙いがありました。

プロレスリングZERO1 北村彰基選手:「自分より強くて大きな相手に立ち向かう姿、このプロレスラーの姿をちびっこの皆さんに見て頂いて、僕・私たちもプロレスラーの様な強い心を持ちたい、いじめなんかに負けないそんなメッセージをプロレスを通して伝えたいと」

 「プロレスリングZERO1」という団体が行う「いじめ撲滅プロレス教室」。”プロレス先生”と呼ばれる大谷晋二郎選手が、17年前から全国の小中学校などで開いている教室です。

画像: 「いじめ撲滅プロレス教室」

 なぜ虫明さんは、いじめにこだわるのか。実は、虫明さん自身、中学生時代にいじめを受けていたのです。いじめは、社会人になっても受けました。その経験から、子どものうちに、いじめはよくないと、知ってほしいというのです。

虫明さん:「いじめは大人も子どもも後を絶たない状況で、それがすべていじめが無くなる問題ではないですが、プロレスは一つの伝える媒体として面白いかなと思った」

 教室では最後に必ず子どもたちに聞くことがあります。

北村選手:「将来の夢は何ですか?」

男の子:「バスケット選手です」

 知らない人たちの前で発言する勇気と希望をもってもらおうという取り組みです。

北村選手:「(夢がなかったら)目標でもいいです。早寝早起きでもいいです。好き嫌いをしないでなんでも食べる、そんな小さな目標1つ1つ達成することで自分のなりたい夢が自然と見つかるはずです」

アナウンス「夢を持っている人、夢を持っている人を応援できる人は?」

北村選手:「いじめなんかしないと、私たちプロレスラーは信じております」

 「子どもたちにいじめ撲滅を伝えたい」。そして、衰退する伊東を活性化させたい。

虫明さん:「子どもの心が開いて、子どもの素直な気持ちが、そこで表現できる、そういった成果も得られましたので、負けてたまるかという思いを伝えたい、子どもたちにも伝えたいし、今元気が失われている中で、元気を失われた方に元気を伝えたい」

 虫明さんは、子どもや町を元気にするイベントをこれからも続けて行くことにしています。