変異株陽性率が90%超 インド型も初確認 感染者が西部に集中…県「他地域より早く変異株に置き換わったか」 静岡県/週末まとめ

 15日の静岡県内の新型コロナウイルス感染者は、過去3番目に多い120人。16日には県内で初めて、インド型の変異ウイルスも確認されました。この週末の新型コロナの状況です。

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静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(15日):「前の1週間、5月8日時点の1週間の新規感染者数が287人でしたので、604人と比べますと、この1週間で2.1倍の増加率ということで、きのうも同様になっており、2倍の増加スピードが続いていることになっています」

 今月に入って県内で続いている感染拡大。1月の第3波を上回る急増ぶりであることが分かりました。

 この週末も県内では、15日に過去3番目に多い120人の新規感染者が判明、16日は84人の感染が確認されました。16日までの1週間の新規感染者数は635人で、これまでで最も感染状況が悪化した1月に確認された629人を超えて過去最多に。つまり、新型コロナの感染拡大が始まって1年余りで、静岡県は今、最も感染が悪化した状況を迎えているのです。

静岡市でインド型を県内初確認

画像: 静岡市でインド型を県内初確認

 感染拡大の要因となっているのは、これまでよりも感染力が強い変異ウイルス。その変異ウイルスをめぐり、静岡市は―

静岡市保健福祉長寿局 長谷川誠統括官(16日):「国立感染症研究所で新たに2検体の変異株陽性と、同時にその遺伝子解析結果がインド由来変異株であることが判明しました」

 県内で初めて、静岡市の2人がインド型の変異ウイルスに感染したことが分かりました。従来よりも感染力が強いとされ、インドでは1日30万人以上の感染が発表されています。

静岡市保健福祉長寿局 長谷川誠統括官(16日):「いずれも市内在住の高齢でない成人で、いずれも海外、または県外の滞在歴はありませんが、市外陽性者との接触が確認されています。症状は1人が中等症、もう1人が軽症です」

 2人は今月に入って、静岡市外の県内に住む陽性者の濃厚接触者として検査を実施。その陽性者が、海外渡航歴のある人と接触していました。2人の濃厚接触者はすべて特定し、検査で陰性を確認しているため、静岡市は2人からインド株が広がる恐れは低いとしています。

 全国でもまだ80例ほどしか確認されていないインド型の変異ウイルス。3日前には神奈川県で、おとといには大阪でもそれぞれ1例が発表されるなど、国内での感染の広がりが懸念されています。

静岡市保健福祉長寿局 長谷川誠統括官(16日):「この変異株が市内で発生したことについては重く受け止めています。今後、検査を広めにとって感染拡大の防止に努めていきたいと考えています」

変異株が90%超 県「置き換わったと考えている」

 とはいえ、現在、静岡県で感染の主流なのは、あくまでイギリス型の変異ウイルスです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(14日):「変異株の陽性率に関して92.5%となっている。先週82.7%、今週92.5%という変異株の陽性率なので、やはり5月に入り、県内の新型コロナウイルスは8割から9割が変異株に置き換わっているものと考えている」

 1カ月前に40%ほどだった変異株の割合は、直近では90%余りまで上昇。特に、直近1週間では若年層での感染の広がりが顕著で、20代・30代の感染者数が前の週より30人以上多い126人にのぼっています。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(14日):「20歳未満が先週10%、今週17%と増加し、20歳未満でも変異株が主流となっている状況では、感染者が増えるということを表している。感染経路状況、不明のエリアが45%と、先週31%から1・5倍。人数も79人から176人に増えている。人が集まるところに外出すると知らないうちに感染するリスクが変異株の感染力の強さから高まっている」

感染者が西部に多い 中部・東部より前に変異株に置き換わったか

画像1: 感染者が西部に多い 中部・東部より前に変異株に置き換わったか

 そして、現在の第4波における特徴が地域による偏りです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(14日):「1月中旬に(10万人あたり感染者数が)15人を超えたときがあるが、あの時は県の東部・中部でクラスターが多く発生し、東部・中部で両方とも患者が多く発生していた。しかし、今回の東部・中部ではあまり患者が発生していません。西部地域、県の西部保健所管内、浜松市で圧倒的に多く感染者が発生している」  

 現在の県内での感染の急拡大は、いわば「圧倒的・西部地域問題」だというのです。

静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(14日):「変異株の置き換わりが県西部のほうが中部・東部より早かった可能性がある。東部・中部でも西部と同じように若い世代を中心にさまざまな飲食の場や、集合する場ができてしまって、ここで感染が伝播すれば、きわめて急速かつ大きな感染拡大になる。何とかこれからの5月後半を感染拡大のブレーキがかかるように過ごしてほしい」

画像2: 感染者が西部に多い 中部・東部より前に変異株に置き換わったか

 その県西部では14日、自治体による対策会議が相次いで開かれ、危機感を強めていました。

湖西市 影山剛士市長:「様々な経路での感染者が増加しています。いつどこで誰が感染してもおかしくないということです」

画像3: 感染者が西部に多い 中部・東部より前に変異株に置き換わったか

 浜松市も対策本部会議を開催。浜松市では16日までの1週間で10万人あたりの感染者数が26.3人となり、ステージ4の基準である25人を上回っています。

浜松市 鈴木康友市長:「大変危機的な状況になってきている。県外、特に、緊急事態宣言発令地域等のですね、不要不急の移動を慎んでいただきたい」