コロナ禍で注目の冷凍食品…８５０種の品数誇る専門店や「そば」も… 家電量販店では「小型冷凍庫」の売れ行き好調 静岡県
コジマ 磯部平円さん：「（小型冷凍庫は）ここ１～２年でかなり問い合わせが増えている。上開きのタイプよりも引き出しがあるタイプとかで、小分けにできるというタイプがやはり問い合わせとしては多い」
冷蔵庫の冷凍室がいっぱいで、２つ目の冷凍庫いわゆる「セカンド冷凍庫」を持つ人が増えています。
今ですと（コロナ禍で）あまり外に出たくないからまとめ買いをするという人が多くて、結局そのまとめ買いをするために長く保存のできる冷凍食品とかを買われる方が多いかなという形。
冷凍食品の専門店 ８５０種の品ぞろえ
連日、多くの客が訪れるこちらのお店は、冷凍食品の専門ショップ「ＫＯマート フローズン草薙店」。コロナ禍のおととし６月にオープンしました。冷凍食品の数は、総菜にデザートなど、およそ８５０種。通常のスーパーの２倍以上です。
北川彩アナウンサー：「グラタンやドリアだけで１９種類あります、これだけ選択肢が多いと消費者もうれしいですよね」
実は昨年、統計開始以来初めて、家庭用の冷凍食品の生産量が業務用を上回りました。コロナ禍で、家庭での冷凍食品需要が伸びているのです。
「ＫＯマート フローズン」の人気の秘密は、オリジナリティあふれる商品ラインアップ。中でも注目されているのが、県内の人気飲食店の看板メニューです。行列が出来る静岡市のラーメン店やベーカリーなど、町でおなじみの味が数多く並びます。
静岡市民 ４０代：「ほかのお店で売っていない珍しい材料や料理がたくさんラインアップがある。通いますね」
静岡市民 ４０代：「テーマパークみたいな感じ。レストランで食べるものとほぼ同じ味のものが冷凍食品で簡単に食べられるところ、凄く魅力感じています。」
沼津市民 ２０代：「これから（妹が）一人暮らしするので、多分活用すると思います」
沼津市民 １０代：「自炊はちょっと大変そうですよね、冷凍食品あると助かります」
老舗そば店も冷凍食品を
昭和３１年創業、県内に３店舗をかまえる老舗そば店「戸隠そば」。冷たい蕎麦につゆをかけ、海苔や揚げ玉、大根おろしなどをのせた「磯おろし」が看板メニューです。コロナ禍で営業が制限される中、ある商品を考案しました。
戸隠そば 津村直人代表取締役：「緊急事態宣言が出た際、２週間ほど休業したが、その際に磯おろしをやはり食べたいというお客様からの声を磯おろししキットという商品を考案して販売を始めました」
家で「磯おろし」を味わってもらおうと、全ての材料が入ったキットを商品化したのです。しかし、賞味期限はわずか１日。広く販売するには日持ちが課題でした。そこに、ＫＯマートから、冷凍食品にして販売しないかと声がかかったのです。
戸隠そば 津村直人代表取締役：「当時は本当にこのお店だけ飲食店としてのお店だけで本当にこの先やっていけるんだろうかとすごく不安でしたので、暗闇の中に少し光が見えたような手ごたえを感じた」
発売から２年。冷凍の「磯おろし」は、今では毎週２００個ずつ売れる人気商品になりました。
戸隠そば 津村直人代表取締役：「冷凍食品って、今までやはり工場規模で作るものというような考え方があったと思うが、私たちのようなレベルの飲食店でも可能なんだというところが非常に大きくて今までと違う点かなというふうに思っている。
マイナス４０度の急速冷凍機で
ところで、飲食店が冷凍市場に参入するのに欠かせないのが専用の設備です。こちらが急速冷凍機。マイナス４０度の風を当て、急速に食品を冷凍。例えば鶏の唐揚げなら、１時間ほどで冷凍できます。
１時間経過
久保田智良さん：こちらになります。
冷凍した唐揚げは
北川アナ：もう硬いです、完全に凍ってます。
機種によっても様々ですが、急速冷凍機の値段は１台数１００万円ほど。決して安くありません。それでも今、導入に踏み切る飲食店が増え続け、ＫＯマートでは今、県内外およそ２０店舗、９０種類もの商品が並びます。
ＫＯマート フローズン草薙店 久保田智良店長：「静岡には本当においしいお店っていうものがたくさんありまして、そういったおいしいものを作れるお店と、販売することが得意なKOマート、ぜひ協力して静岡のおいしいものを本当にもっと多くのお客様に発見していただけないかという思いでやらせていただいております」
人気は冷凍ピザ
冷凍食品に特化した店は、ほかにも。こちらは、去年４月、富士市にオープンした「かやはら商店」。店内で焼く本格的な冷凍ピザがおいしいと評判の店です。
富士市民 ３０代：「子どもがいるのでよく夕食に買っていく。チンしてすぐ食べれるというのと保存が効くので、いっぱい買っても大丈夫なところがいい」
この店をオープンしたのが茅原さん。東部地区でイタリアンレストランを２軒経営しています。しかし、人気はピザだけではありません。
かやはら商店 茅原伸一郎代表
「今は富士と富士宮の飲食店の冷凍食品に絞っているが、いろんなお店の冷凍食品が一ヵ所でお客様が購入できる場があればすごくいいんじゃないかっていうのがあって」
茅原さんは、お弁当の販売会で知り合った地元飲食店に声をかけ、「かやはら商店」をオープンしました。お店のメニューを茅原さんが一括して冷凍、和・洋・中、４０軒ほどのお店の商品が並びます。
富士市民 ２０代：「いつ来ても真新しいものがあるし、手軽でおいしく食べられるのがいいところ」
かやはら商店 茅原伸一郎代表：「それぞれで売るよりも皆で売るパワーは全然違うと実感した。地域のアンテナショップとして、お客様にも凄く喜んでもらえているんじゃないかと思っている」
便利でおいしい冷凍食品。コロナ禍の今、「地域のつながり」によってさらに魅力を増しています。