全国高校野球選手権 浜松開誠館1回戦で熊本の東海大熊本星翔を5対2で破り初勝利
夢舞台甲子園に、創部26年目で初めて立った浜松開誠館。
先発はエース・近藤。
近藤は1回、東海大熊本星翔の先頭バッターにセンター前にはじき返されると、大舞台・甲子園の緊張からか、開誠館の守備が乱れいきなりノーアウト3塁のピンチを背負います。
そして、ショートゴロの間に3塁ランナーが返り、静岡大会から通じて、初めて先制点を奪われてしまいます。
さらに2回、2アウト2塁3塁の場面でライト前にタイムリーヒットを打たれ、0対2。
リードを広げられます。
苦しい立ち上がりとなった開誠館。
ここで、アルプススタンドからは浜松開誠館の校歌が…。
校歌熱唱
「ここ浜松の~恵み豊かな~光を受けて~通う開誠館♪」
選手の背中を押すのは、およそ1200人の大応援団。
開誠館は、中学・高校の全校応援という気合の入りっぷりで、スタンドには浜松市の中野市長の姿もありました。
中野市長は10日の試合のために、定例会見を午前から夕方に、時間変更。
“チーム浜松開誠館”一丸となって、応援にも力が入ります。
試合開始から遡ること9時間前…
深夜、浜松市内にある学校の体育館に集まっているのは、開誠館の生徒たちです。
先生の声
「エール交換は試合の後はしません。勝利校だけは校歌を歌う」
甲子園への出場も、全校応援も、すべてが初めてのビッグイベント。
応援に行く生徒たちは「選手にパワーを届けたい」と意気込みます。
男子生徒:
「開誠館の生徒として初めて(甲子園出場)というのはうれしいので、がんばって応援したい」
女子生徒:
「すごくこっちが緊張しているけど、みんな今までやってきたチアで盛り上げてちゃんと応援したい」
女子生徒3人組:
「あしたの甲子園、絶対勝つぞ!」
そして、勝利を願う生徒たちを乗せたマイクロバス、合わせて28台が午前0時、甲子園に向け浜松市内を出発しました。
逆転で初勝利
そんな生徒たちの応援を背に受け2点を追いかける開誠館は3回、2アウト3塁とチャンスを作り、バッター・廣崎。
「強い打球、ライト下がり目の守備位置。その右に打球が落ちました。3塁ランナー返ってきました。浜松開誠館、1点を返します。」
生徒「やるじゃーん」
さらに5回、2アウトランナー1塁で、4番・新妻。
「レフトに上がった。これも大きな当たりだ~。入りましたホームラン。」
頼れる4番が、豪快にレフトスタンドに叩き込み、2ランホームラン。
開誠館が逆転に成功します。
生徒:
「今いい流れ来てるんで、このまま流れ通り勝利をつかみ取りたいと思います。頑張れ、開誠館。」
生徒:
「もっと全員で声出していくよ。やー」
浜松市 中野祐介市長:
「いやー、最初どうなるかと思いましたけど、これでやっと打線が爆発じゃないですか」
勢いに乗る開誠館。
1点リードで迎えた6回、2アウト2塁1塁のピンチを迎え、三遊間を破られます。
しかし…。
「三遊間、打球は抜けていった。2塁ランナー3塁をまわった。ホームへ返ってくる。送球返ってタッチは~ アウトだ~」
レフト・廣崎の見事なバックホームで、タッチアウト。
1点のリードを守ります。
1点を争う好ゲーム。
7回、ここまで粘りの投球を続けてきた、エース・近藤が
2本のヒットを浴び、2アウト1塁3塁のピンチに。
ここで開誠館ベンチが動きます。
先ほど、レフトから見事な返球でチームを救った廣崎が
近藤に代わりマウンドへ。
そして、廣崎の初球。
「初球をたたいていった、ファーストゴロ。ファースト取る。ベースに駆け込む。このピンチ、リリーフであがって1球で切り抜けた廣崎蓮」
廣崎が、またしてもチームのピンチを救います。
すると開誠館は8回。
ヒット2本と送りバントで、2アウト2塁3塁のチャンスを作ります。
ここで深谷。
「深谷初球打ち。ライト前打球が落ちる。3塁ランナーホームイン。2塁ランナーも3塁をまわってホームに返ってきました~。大きな大きな追加点。」
深谷の鮮やかなタイムリーで、開誠館、リードを3点に。
そして試合は9回。
バッター2人を打ち取り、2アウトに。
勝利まで、あと1人。
「空振り三振。浜松開誠館、初出場の甲子園で初戦突破。初勝利をつかみ取りました。」
生徒:
「いやーやっぱり開誠館らしい野球で勝てたと思います」
生徒:
「もうなんか、自分でも信じられないくらい、すごくて迫力が伝わってくる試合だったと思います。眠気に襲われながらもここまで来たんですけど、頑張ってきた良かったなと思います。」
浜松開誠館 新妻恭介選手:
「静岡県でやっぱりなかなか勝てないというのがあって、それも背負って戦えたので、その応援だったりとかすごい力になって勝つことができたと思います。みんな勢いがあってすごい楽しくやるチームなので次もそういったところを前面に出していければまた勝ちが見えてくると思うのでそういったところを意識してやっていきたいと思います。」
地元浜松市民は…
甲子園で初勝利を挙げた浜松開誠館。地元浜松市民は…。
浜松市 60代:
「うれしいです、開誠館。野球に興味はないけど、やっぱり地元の高校が勝って優勝してほしい」
浜松市 10代:
「友達が通っていた高校でもあるので、すごいなと思うし。
元プロ野球の有名な選手を招いて強くしてたりしたので、努力が実って良かった」
浜松市 父40代 息子10代:
父「浜松から出たのも久しぶりだったので、すごい応援していたので勝ってうれしかった。最初(相手に)点を取られてもうダメかなと思ったところから、逆転してくれて頑張ったなと思いました」
息子「(勝利して)めっちゃうれしかった。迫力があったし、ヒット打った時の盛り上がりがすごかった」
Q.どこまで行ってほしい?
息子「それは全国1位」
父「優勝?」
息子「(うなずく)」
中には試合が気になっていたものの、用事があって見られずこの時は結果をまだ知らなかった人も…。
Q.5対2で初戦を突破しましたが?
浜松市 70代:
「本当?おめでとうございます。良かったですね。ヘアスタイルが自由だということで、何か開放的なチームでいいなと思って。初戦を突破したのはうれしい。本当に市民として」
Q.2回戦はご覧になりますか?
「見ます!当然」
浜松開誠館 注目の2回戦は、来週14日。南北海道代表、北海高校との対戦です。