季節外れ…インフルエンザ流行 重症化するケースが多い「RSウイルス」も急増

掛川市民70代:「インフルエンザと言えば冬のものと決まっていたので、いまこの季節に広がっているというのは少しびっくりしている」
静岡市民60代:「季節外れでも、(インフルエンザの)菌はきっといるんですよね。こういう人混みを歩くときというのは、やはり不安ではある」 
 今、「インフルエンザ」が静岡県内で流行しています。県によると、6月4日までのインフルエンザの発生動向調査で、定点医療機関から報告された患者の数は1医療機関あたり1週間で2.22人。前の週も1.81人と、記録がある2006年以降で、6月に入っても流行の目安となる1人を超え続けているのは初めてだといいます。

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季節外れ…インフルエンザ流行 重症化するケースが多い「RSウイルス」も急増

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小学校7校で『学級閉鎖』

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 この“季節はずれの猛威”は学校現場にも影響しています。5月頃から小学校で学級閉鎖が相次いでいて、県の発表によると、5日から16日までに、県内ののべ7つの小学校で合わせて77人が感染し、学級閉鎖になっています。

 感染拡大について街の人は…

静岡市民30代:「義理の姉も(インフルエンザに)かかったと先月言っていた。子どもが学校からもらってきたと。子どもがもらってくると家族全員にうつってしまって、子どもだけじゃなくて全員がうつるので、完全に防ぐのは難しいのかなと。あと(子どもが)小さいので、予防接種が打てる子もいれば打てない子もいるので、そこも難しいところかなと」

インフル以外の感染症も急増

 一方、静岡市内にあるこちらのクリニックでは…。

画像: インフル以外の感染症も急増

院長:「鼻水 鼻詰まりはいかがですか?」
親:「鼻水出てます、鼻も苦しそうにしてました。なんか詰まっているっぽいですよね」

 こちらの小児科で診察を受けているのは、受診の前日から38度以上の発熱が続いていたという女の子。

院長:「一応、風邪のレベルだと思う。ヘルパンギーナとかではない」
親:「よかったです」

「ヘルパンギーナ」

 現在、小児科などで多く見られるのが、インフルエンザ以外の〝風邪〟症状をもった患者。こちらのクリニックでは、患者のおよそ7割が発熱症状で、特に、いま最も多い病気が「ヘルパンギーナ」という感染症だと言います。

キッズクリニックさの 佐野正院長:「いま毎週『静岡市小児科感染症サーベイランス報告』といって、小児科の皆でどういう病気があったかと、数を報告しあう。見ていただくとわかるが、病名のついたものの中ではヘルパンギーナが一番多い。

 「ヘルパンギーナ」とは、発熱や口の中にぶつぶつとした水泡ができる感染症で、子どもがかかりやすい夏風邪の1種です。熱の期間は短く、比較的早めに収まる病気ですが、実は感染症は他にも…。

重症化するケースが多い「RSウイルス」

キッズクリニックさの 佐野正院長:「いま話題になっているのはRSウイルス。RSウイルスはせきがひどくて熱も高くて、小さい子がかなり重症になることが多いので、ヘルパンギーナよりも我々ははるかに注意してみている病気」

画像: 重症化するケースが多い「RSウイルス」

 国立感染症研究所の発表によると、コロナの5類移行前の1週間と比べると、ヘルパンギーナの全国の患者数はおよそ5倍。他にもRSウイルスはおよそ2倍に増加しています。

 その理由について佐野院長は、コロナ禍によって国民の免疫力が低下しているのではと話します。

キッズクリニックさの 佐野正院長:「マスクをするとか、人混みを作らないようにするとか、3密をやめましょうということを日本人は真面目にやっていたので、人間とウイルスの接触具合が少なくなる。それが解禁になったので、免疫が減った状態で人と人のかかわりが増えたので、マスクは皆さんしているが、免疫がない状態が続いていて(ウイルスを)持ち込むと、その社会で非常に増えやすいのでそれが収まらないという状況なんだろうと」