県知事選へ動き始めた静岡県の政界・財界 大村氏は早くも出馬表明 鈴木氏を擁立する動きも 渡辺氏は幹事会を欠席
川勝知事の辞職に伴って行われる知事選挙。8日新たに2人の名前が浮上しました。川勝知事のもとで副知事を務めた大村慎一氏。そして、去年まで浜松市長を務めていた鈴木康友氏です。
まず先手を打ったのは大村慎一氏。
午前11時過ぎ、県庁前に現れ、報道陣を前に出馬表明を行いました。
大村慎一氏
「知事の急な辞職と言う話がありまして、非常にその中で混乱も起き、対立と分断があるように思っております。私が長年培って参りました地方行政での経験と言うことを。この状況での県政の立て直し、再構築と言う事にお役に立てることができるのではないかと言うふうに考えました。私が取り組みたいのは県政の立て直し。その一点でございます。」
大村氏は静岡市出身の60歳。
1987年にキャリア官僚として自治省に入り、その後、総務省で主に地方行政畑を歩み、コロナ対策やマイナンバーカードの推進などを担当、去年7月に退官しました。
川勝県政では2010年から2年間、副知事を務め、議会調整などに奔走してきました。
Q知事の表面から1週間経って出馬をかためた一番大きな理由は?
大村慎一氏
「経済界の皆様からですね。こういう県政を立て直すために頑張れと言うことを、お言葉をいただいたというのが一つの大きなきっかけでございます」
石川嘉延前知事は
大村知事を推しているのは、静岡市を中心とする経済界の一部です。
去年11月に静岡市で開かれた石川嘉延前知事の本の出版を記念したパーティー。
会場に集まった経済人や自民党関係者にあいさつする大村氏の姿がありました。
関係者によりますと、今回の大村氏擁立の背景には
大村氏の自治省の先輩で、川勝県政に批判的な、石川前知事の存在があるといいます。
石川嘉延前知事
「対抗馬として、川勝さん自身が立候補するといっていないからまだ早いかもしれないけど、出ても出なくても、やるんだという川勝さんとは違ったコンセプトのね、県政を展開するという人が出てくることを期待している」
大村氏を擁立するグループは、自民党県連の一部とも接触していて、大村氏を「オール静岡」での相乗り候補にしたい考えです。
大村慎一氏
「東部中部西部そういった地域の関係を超えて、オール静岡県、オール県民で対立したり、東だ、西だ、中部だって言ってる余裕なんて、今ないと思います」
鈴木康友前浜松市長
しかし、静岡市を中心とした経済界の後押しで、大村氏が「相乗り候補」にすんなり収まるかというと、そう簡単ではありません。
浜松市の経済界からは、前浜松市長の鈴木康友氏を擁立する動きがあることがわかったのです。
鈴木康友氏は静岡朝日テレビの取材に対し、対応は調整中としながらも、「国政と市政での経験を生かして、県政のかじ取りをする決意はある」と、出馬への強い意欲を示しました。
鈴木康友氏は浜松市出身の66歳。
衆議院議員を経て、2007年に浜松市長に就任。
去年4月まで4期16年務めました。
行政改革や産業政策で実績を挙げ、中央政界にもパイプがあることで知られています。
自民党県連は
大村氏、鈴木氏、双方が「オール静岡」を目指す中、焦点となるのが自民党の対応です。
大村氏も出馬表明のあと、まず県議会の自民党控室を訪ねました。
そこには、偶然、東京から急遽、静岡に戻ってきた城内県連会長がいました。
城内実自民党県連会長
「全く現時点では白紙である。本当に驚きました。こんな早く候補者の方が名乗りを上げるとはまったく予想だにしていなかったので、正直言って、なんか盆と正月が一緒に来たような感じ」
その混乱ぶりが、今回の知事選で主導権を握れていない、今の自民党の現状を象徴していました。
Q.オール静岡でという話もあったと思うが、その与野党相乗りについては?
城内実自民党県連会長
「それも相乗りが良いっていう方、あるいは一本化が良いという方もいるだろうし、政策の違いでどちらかを応援するというのもあるだろうから、いろいろな方がいろいろな意見もあるので、そこはしっかり丁寧に調整した上で、決めるのか、決めないのかも含めて、話をしなければいけない思っている。」
Q.決めるのか決めないのかというのは、要は自主投票?
「理論上、そういう選択肢も含めてあるんじゃないかと思う。だけど、現時点では何も決まってないということで。可能性の話。可能性の話は答えるのは難しい」
こうした事態に、自民党内では次のような声も聞こえてきます。
自民党関係者:
「党内には大村氏に乗る人、鈴木氏の乗る人、両方出てくるだろう。結局、自主投票にならざるをえないのでないか」
自民党関係者:
「政権政党が自主投票なんて恥ずかしい。しかし、どちらか一方の支援を無理やり決めれば、分裂選挙に突入しかねない」
渡辺周衆議院議員
県中部から大村慎一氏、県西部から鈴木康友氏の名前が浮上する中、もうひとり名前のあがっている人がいます。
県東部・沼津が地元の渡辺周衆議院議員です。
渡辺周衆議院議員:
「やっぱりずっと来た地盤として育った静岡県はね。日本一の県にしたいという、それはナショナリズムは持っていますから、そのために私も長くやってきた中で、与党の中にもたくさんの知り合いもいますしね。どこでやるかっていうことについては言えません。けれども、いろいろな可能性を秘めて、日々行動はしたいなと思ってます」
片山アナウンサー
「知事選にむけた動きが活発化しています、立憲民主党がきょう幹事会を開きます。源馬代表です。立憲の県連としては誰を推す、または擁立することになるのでしょう」
8日は渡辺氏の所属する立憲民主党県連の幹事会が開かれましたが、渡辺氏は欠席しました。
源馬謙太郎立憲民主党県連代表
幹事会後、会見を開いた源馬県連代表は・・
Q渡辺周の名前があがっていますが、これまでに本人の意思や、立候補した場合にどのような対応をとっていくか
源馬謙太郎立憲民主党県連代表
「まだそういう段階ではないと思っています。私ももちろん国会で渡辺先生ともお話ししていますが、何か決まっているとか、そういった状況ではない。ということだと思います」
Qオール静岡という声も県議会各会派では聞こえる、スタンスは
「民主主義ですから最初から選択肢をなくして県民のみなさまに問うという姿勢はどうなのかと思います。結果的にいろんなことはあると思います、ただ最初からもう選挙やらないんだというところが議論のスタートでは、これは民主主義に反するものだと思いますので」