住宅地の上昇は101カ所から5カ所に激減 上昇した土地は… コロナ禍の地価公示 静岡県

 土地取引の目安となる価格、地価が23日、全国で発表され、静岡県内でもコロナ禍の影響を大きく受け、多くの地点で下落しました。そんな中、コロナ禍だからこそ上昇した地域もあります。

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住宅地の上昇は101カ所から5カ所に激減 上昇した土地は… コロナ禍の地価公示 静岡県

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連続首位のあの場所も下落…

 住宅地で最も高かったのは、静岡市駿河区曲金のマンション用地で、1平方メートルあたり33万6000円。3年連続の1位ですが、前の年に比べて1・5%下落しました。県内の住宅地全体でも平均して1・5%のマイナス。下落傾向は以前から続いていますが、下落幅は、前の年に比べて0・8ポイント拡大しました。価格が上昇した住宅地は、前の年に101カ所あったのが5カ所に激減しています。

 また、商業地で最も高かったのは静岡市葵区呉服町の一角で1平方メートルあたり145万円。この調査では39年連続の1位と、おなじみの一等地です。しかし、「盤石」を誇るこの土地も前の年に比べると4%の下落です。

 さらに顕著だったのは、浜松市の中心部、中区鍛冶町の一角です。1平方メートルあたり60万5000円で、前の年に比べて5万円、率にして7・6%のマイナス。県内の商業地全体の中で最も下落幅が大きくなりました。

 商業地全体では、平均してマイナス1・8%で3年ぶりに下落に、工業地もマイナス0・7%で、2年ぶりの下落です。

専門家「新型コロナの影響が現れた。特に夜の繁華街が下落」

調査にあたった専門家は。

不動産鑑定士 鈴木隆史さん:「住宅地、商業地、工業地ともにすべて下落した。これは新型コロナの影響が如実に現れた現象だと思います。特に特徴的だったのは、夜の繁華街があるポイントですね。夜の繁華街と言われる、夜の営業を中心とした飲食店舗が多いところが特に下落しているのが今回の特徴です」

上昇した土地や、影響少なく底堅い土地も

 こうした中、テレワークの広がりなどでセカンドハウスの需要が高まっているという熱海市では、全体とは違う傾向が見えました。5カ所しかない、上昇した住宅地のうち2カ所は熱海市で、このうち春日町は1・3%のプラスで上昇率1位です。

不動産鑑定士 鈴木隆史さん:「静岡県全体を見渡すとマイナスが多い中で、数少ない上昇ということで、やはりそこは大きな現象だと思いますね。交通基盤が他県と比べて優位かつアクセスも良いということ。さらには静岡県ならではの自然環境が豊かで温暖という、そういう数々の静岡県ならではの優位性が、熱海の地価に象徴して出てきた」

 また、工業地でも、交通アクセスがよいエリアは底堅さを見せました。物流系の施設が置かれており、コロナ禍で巣ごもり需要が高まった影響を受けているからです。おととし開業した東名高速道路の日本平久能山スマートインターチェンジに近い静岡市駿河区の工業地では、市内の工業地で唯一、横ばいを維持しています。

コロナの影響はいつまで…

 とはいえ、大半は下落し、コロナ禍を色濃く反映した今年の地価。こうした状況はいつまで続くのでしょうか。

不動産鑑定士 鈴木隆史さん:「今回のコロナの影響は、やはり、ここ1年近くなりますか、どこが底かなかなか見づらいということで、われわれも将来がどうだとなかなか予測しづらいというのが今回の特徴だと思います。静岡でも街なかにかなり人が戻ってきたかと思います。そういう状況と、今後ワクチンが浸透するということで、なにかしら出口のロードマップがはっきりしてくれば、従来の地価水準に戻るのかなとは思っております」