海に流れ着いた「思い出の写真」を回収 不明者捜索のため船を出し続ける漁師 静岡・熱海市の土石流
この港で連日、行方不明者捜索のため船を出し続ける漁師がいました。
金子友一さん55歳。
漁師 金子友一さん(55)(10日 熱海市 伊豆山港):「浮いている物と テトラのすき間とか、いつもと変わった漂流物がないかなと」
Q.見えるものですか?
A.「目視でね」
行方不明者が海に流れ着いていないか、船の上から目を凝らします。
捜索は陸地でも。
本来、船揚げ場だった場所には、流された家の壁の一部、家電製品や生活用品、そして、大量の土砂が。堆積した土砂の深さは1mから1・5mにも達していると言います。
その中に行方不明者がいるかもしれないと棒の感触を頼りに、金子さんは捜索を続けます。
Q.この1週間続けているが心境は?
金子さん「はやく安否不明者を見つけてあげたい。上で見つかる可能性が大だけど下まで流れている可能性もあるし。安否の確認ができないことには親族の方も納得できないだろうし、逆に自分が親族の立場だったらはっきりしたいと思う」
記者
「何か見つけたようです、金子さんは写真のようなものを手にしています」
Q.左手に持っているのは?
A.「これは写真だけど ちょっと写りが悪いんだ…」
海に流れ着いたのは、土石流に流された家々にあった写真です。
金子さん「これが回収したアルバム…」
Q.土砂に埋もれてたんですか?
金子さん「浮いていたり 流れて来たり 埋もれていたり」
Q.中でも印象的な写真は?
金子さん「とくにこういう結婚式とか子どもの頃の写真というとね、思い入れがあるのかなと思う」
金子さんは回収した写真を熱海市役所で保管してもらい、持ち主の元に届けてほしいと話します。
金子さん:「ほっとけない感じです。行方不明者がいる限りはほっとけない気持ちがある。避難したり家がなくなった知り合いもいる。だから他人事ではないので」