【袴田事件】袴田さんが再審決定の元静岡地裁裁判長と対面　姉のひで子さん「お礼を言いなさい」

　１９６６年、旧清水市でみそ会社専務一家４人が殺害された事件で、死刑判決を受けた袴田巌さん（８７）の再審が３月２０日に確定しました。

支援者：「巌さん山行ってみたいですか？」
袴田巌さん：「おっかない、おっかない」

　１８日、支援者とともに自宅を出た袴田さんの向かった先は…

久須美舞記者：「都内の会場には、１００人を超える支援者らが集まっています。袴田巌さん、そして姉のひで子さんの姿もあります」

　１９日午後、都内で再審法改正をめざす市民の会が主催する集会が開かれました。

袴田巌さん：「戦いに勝つということが大事で、戦いはどこまでも続く」

姉・ひで子さん：「再審で苦しんでいる方みなさんに助かっていただきたい」

静岡地裁で再審開始決定を出した村山元裁判長も参加

　集会には、２０１４年、静岡地裁で再審開始決定を出し、袴田さんの釈放を認めた村山浩昭元裁判長も参加し、当時の判決を振り返りました。

村山浩昭元裁判長：「誰がこの判決を書いたかで信用してはいけない。どのような有名な裁判官でも、間違うときは間違う。そういう思いがあったので。正直に言うと、確定１審の判決は異様な判決です」

村山浩昭元裁判長：「袴田さんの年齢を考えると、出来るだけ速やかな審理をして、判決出していただきたい」

　村山元裁判長は、現行の再審法の改正を訴えていて、▼証拠開示の拡充を整備することや▼検察官の不服申し立てを禁止することが必要だとしています。

袴田さんと村山元裁判長が初めて裁判所の外で

　集会の前、袴田巌さんと姉のひで子さんは、初めて、裁判所の外で村山元裁判長と話しました。

姉・ひで子さん：「（巌には）あなたを助けてくれた裁判長さんだよ、お礼をいいなさいと言って、（巌は）何か言っていました。お礼だと思います」

　ひで子さんは、村山元裁判長に「命の恩人」だとお礼を伝えたということです。

村山浩昭元裁判長：「命の危機にさらしたのは、捜査機関であり、警察であり、裁判所です。（巌さんとひで子さんが）歩いておみえになって、立っておられたし、それで安心しました」