袴田巌さん無罪確定へ 検察が控訴断念

58年間に及ぶ裁判にようやく終止符です。袴田巌さんの再審での無罪判決について検察が控訴を断念する方針を固めました。袴田さんの無罪が確定します。

 袴田巌さんは1966年に旧清水市でみそ会社の専務一家4人が殺害された事件で、死刑判決を受けていましたが、9月26日の再審で無罪判決を言い渡されました。

 控訴の期限が10日に迫る中検察が控訴を断念。

 弁護団には午後5時ごろ「控訴を断念します」と連絡があったということです。

 検察は控訴しても無罪判決を覆すのは困難と判断したとみられます。

 再審判決で静岡地裁は重要証拠の5点の衣類や自白調書など捜査機関による3つのねつ造を指摘していました。

ひで子さんの会見

検察の控訴断念を受けて、8日夕方姉のひで子さんが、浜松市の自宅前で取材に応じました。

Q.検察が控訴断念の方針を示した。まず率直な気持ちは?

「まあ、これでやっと、一区切りつくと思ってうれしいです。一段落というか、一件落着になると思うと、大変うれしゅうございます」

Q.一報はどのように確認されましたか?

「電話で小川弁護士から連絡いただきました」

Q:巌さんには報告?

「巌には全然ね、もうその前に、街へ出掛けましたのでね、全然言ってありません」

Q.このあと報告をする?

「もう帰っての具合ですね、帰ってきての具合で、話するかどうか、ちょっと分かりません。もうすでに、無罪で勝ったよっていうことは、言ってありますのでね、
改めて言うほどのことじゃないと思っております」

Q(控訴断念の一報)を聞いたときの気持ちは?

「気持ちってものはね、もうわかっていたようなものだから別に。別段、感激もしませんでした(笑)」

Q.笑顔が…

「・・・失礼します」

ひで子さん