伊豆半島南部で唯一の産院が出産への対応終了へ 地元行政・住民からは不安の声が…

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伊豆半島南部で唯一出産に対応してきた下田市の医院が2025年1月予約分で対応を終了します。地元や周辺自治体からは影響を懸念する声が上がっています。

 下田市の臼井医院で11月22日に生まれたばかりの男の子です。

 臼井医院は1964年の開院以降、下田市を中心とする賀茂地域の妊婦を受け入れ、現在は助産院を除けば地域で唯一出産に対応する病院です。

 しかし、来年1月の予約分をもって出産への対応を終了することとなりました。

臼井医院・臼井文男院長:
「お産が年間100を切ってくると、病院の体制として24時間お産に備えるという状況は、経営的にかなり厳しくなってきた。この先こうやって赤字が増えていくだけの状況で、個人で続けるのはちょっと限界」

 臼井文男院長によると、臼井医院での分娩(ぶんべん)数はおよそ20年前1年でおよそ350件、ありましたが去年10月から今年9月の1年では88件にとどまっています。

 少子化による経営悪化で、人材確保や設備の維持などが困難になったということです。

女性の声

 臼井医院では今後も外来診療は続けますが、出産が間近に迫った妊婦については、伊豆の国市と伊東市の病院に受け入れてもらうということです。

 ただ下田市からだといずれも車で1時間はかかることになり、出産経験のある女性からは不安の声があがります。

38歳:
「検診の時とかは近くでできるのが一番ですけども、お産はどういうことがあるのか分からないので」

40歳:
「生まれそうなときは、どうしようどうしようって不安になりながら(産院に)行かなきゃいけないので、近くにやっぱり産院はあったほうがいいかなと思います」

出産経験のある女性は
出産経験のある女性は

行政の声

 行政側も危機感を隠しません。

下田市 松木正一郎市長:
「生む場所という意味で、道路網が脆弱(ぜいじゃく)な地域にとって、いつ生むか分からない寄るかもしれないというところで、(産院が)なくなるというのは、私としては非常に大きな課題だと思っている」

南伊豆町 岡部克仁町長:
「移住者を含めて若い人たちにこの土地に残ってもらいたいという思いがありますので、出産準備支援金として、出せれば少しでも支援になるかなと考えています」

 下田市も出産にかかる通院費や入院費について補助を検討しているということです。

下田市 松木正一郎市長
下田市 松木正一郎市長