大井川鉄道に新たな「観光列車」がデビュー 新社長プロデュースの「食堂車」とは? 静岡・島田市
おととしの台風15号で甚大な被害を受けた大井川鉄道に
この冬、新たな「観光列車」がデビューします!新社長プロデュースの“食堂車”とは!?
大場舞桜アナウンサー:
「SL列車やトーマス号の運行で、国内外からファンが訪れる大井川鉄道で、新たなプロジェクトが動き出しました。きょうは関係者を対象にした試乗会が行われます。」
きかんしゃトーマス号などを目当てに全国各地からファンが訪れる大井川鉄道。
ただ、おととしの台風15号による土砂崩れなどで、大井川本線は、川根温泉笹間渡駅から千頭駅までの19.5キロが現在も不通になっています。
そんな大井川鉄道で今回、新たに始まるのが・・・「食堂車」です。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:
「静岡県は食が豊富です。そういう意味では、もう少し、客単価が高い列車をやってみたいなとは思っております。」
コロナ禍もあり、5年連続の赤字と厳しい状況が続く中、「ローカル鉄道の再生請負人」とも呼ばれている鳥塚新社長肝入りの「食堂車。
いったい、中はどのようになっているのでしょうか?
「いらっしゃいませ」
SL列車の旅は
大場舞桜アナウンサー:
「通常のSLに連結されている3両の客車のうち、1両が食堂車として改造されたということです、よろしくお願いします、さっそく乗車してみます、失礼します、うわぁすごい、まるで昭和にタイムスリップしたみたいです。石炭の香りがしてきて、蒸気機関車に乗っているんだというワクワク感があります。また、4人がけのボックス席の片側が、大きなテーブルになっています。これからここで、どんな料理を食べることができるのか、楽しみです」
午前11時52分、食堂車を連結したSL列車が新金谷駅を出発。
川根温泉笹間渡駅で折り返す、1時間40分の旅がスタートしました。
大場舞桜アナウンサー:
「列車が動きはじめました。目の前には、3段のお重が用意されています。色鮮やかな料理がとってもおいしそうです」
「トレインダイニング オハシ」と名付けられた、今回のプロジェクト。
静岡の食材をふんだんに使った、15品目が提供されます。
大場舞桜アナウンサー:
「こちらが静岡県産の野菜を、三ケ日みかんで漬け込んだというマリネです、いただきます、彩りも鮮やかですね、うわっ、みかんのさわやかな香りが広がります、非常においしいです」
つづいて、浜名湖産のウナギを卵で包んだ「うなぎ巻き」です。
大場舞桜アナウンサー:
「うーん、ウナギの香りと、卵のやさしい甘みが合わさって、非常においしいです」
食堂車に使われるのは、およそ80年前に製造された古い客車。
「揺れ」が比較的大きいため、スープなど、汁物の提供は断念したそうです。
大場舞桜アナウンサー:
「おいしいご飯を食べながら、広大な自然を眺められる、ぜいたくな時間です。機関車の音も聞こえてきました」
車内販売の女性の声「人形焼きもあります」
列車は大井川の鉄橋を渡り、折り返しとなる川根温泉笹間渡駅へ。
ここで駅のホームから窓越しに、デザートが配られます。
「お願いします」
男性「SLの黒アイスです」
「ありがとうございます」
「昭和の時は、こういう窓からもらうというのが通常だった?」
男性「そうです、私も記憶しています」
「昭和の体験をすることができました」
午後0時52分、川根温泉笹間渡駅を出発。
食事を楽しんだあとは、さまざまなお土産が配られます。
カレンダーを配る鳥塚社長:
「来年のカレンダーでございます、もうこれで皆さん、1年間、大井川鉄道のことを忘れられませんよ~」
「トレインダイニング オハシ」の料金は、乗車料金、食事、お土産などを合わせて、1人1万6500円。
鳥塚社長の発言どおり、「客単価の高い列車」となりました。
大井川鉄道 鳥塚亮社長
午後1時32分。列車は、新金谷駅に戻りました。
試乗会を終えた、鳥塚社長は…。
Q:手応えの方はいかがですか?
大井川鉄道 鳥塚亮社長:
「皆さん、本当に楽しんでいただけたことを感じましたので、手応えはバッチリです。」
Q:(社長に)就任して半年で思うところは?
大井川鉄道 鳥塚亮社長:
「沿線の素晴らしさですよね、それから静岡の食材の豊かさ、こういうものをどうやってプロデュースしていくかということは、これからどんどん積み上げるだけだなという感じがしております」
大井川鉄道の新たな「観光列車」「トレインダイニングオハシ」は、2025年1月下旬から運行予定。
ただ、客車には冷房がないため、暖かくなる前までの「冬季限定運行」となる見込みです。