「給食甲子園」に2回目の挑戦で優秀賞 上位入賞目指しこだわったのは「地場産物」 静岡県立富士特別支援学校

 全国の中で優れた給食を選ぶ「給食甲子園」というコンテストがあります。4日の審査発表で、静岡県富士市の学校が上位に入賞。強さのウラには児童や生徒を思う気持ちと地元へのこだわりがありました。

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「給食甲子園」に2回目の挑戦で優秀賞 上位入賞目指しこだわったのは「地場産物」 静岡県立富士特別支援学校

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(富士特別支援学校・4日)
 学校ではZoomで、表彰式の様子を見つめています。そして…。

「優秀賞は…静岡県立富士特別支援学校」
(歓喜)

栄養バランスや地産地消への取り組み…学校給食の献立競う

 「給食甲子園」とは、学校給食で提供している献立を競うもので、栄養バランスや地産地消への取り組み、さらには食育の観点で審査されます。
小・中・高に関係なく、各学校や自治体の給食センターごとに出場することができ、「選手」となるのは栄養教諭や学校栄養職員です。16回目の開催となる今年は、全国から1355校が応募。富士特別支援学校は、静岡県内で唯一、上位12校による決勝に進出。そして見事、優秀賞をつかみ取りました。優勝や準優勝、特別賞に次ぐ栄誉です。

(静岡・富士市・2日)
 献立を考え、優秀賞に導いたのが学校栄養職員の滝浪永梨さん(27)。日頃から、児童らの給食に目配りを欠かしません。

滝浪さんと児童
「給食どうですか?」
(手でグー)「美味しい」

滝浪さんと児童
「コロッケの中にも野菜入っているから」
「例えばじゃがいもとか」「そうそうそう! じゃがいも。じゃがいもと…」
「おいしい」
「おいしい?よかった」

児童と生産者の「つながり」を大事に

(給食時間の巡回)
 滝浪さんは、管理栄養士の資格を取得後、県内の病院や給食センターでの勤務を経て、おととしから富士特別支援学校へ。小学生から高校生まで、およそ400人が在籍するこの学校で、毎日、給食の献立を考えています。

滝浪永梨さん:「ここの子たちがとても素直ですごくかわいくて、学校の中で会うたびに給食おいしかったよ、とか給食すごく楽しみって言ってくれるのがすごくうれしいです」

 アレルギーへの配慮や固形物を食べられない児童らのために特別食を考えるのも大切な仕事です。滝浪さんの「食育」にはこだわりがあります。この日行われていたのは小学4年生の授業。

●授業
「みんなこの人覚えていますか?」
「佐野さん!」
「あ!覚えてる?」
「ミカン狩り」

 児童らは去年、ミカン狩りを体験。佐野さんは、ミカンの生産者です。給食にもそのミカンを出してきました。

滝浪永梨さん:「生産者さんと関わって、実際にその食べ物が(給食で)出ることで、食べ物や地元の愛着、感謝の気持ちが自然と湧いてきておいしく楽しく食べてもらえると思います」

 地域の有機栽培農家に積極的に声をかけて給食に取り入れるなど、児童らと生産者の「つながり」を大事にしているのです。

 そんな滝浪さんが今回、給食甲子園に出した献立がこちら。

滝浪永梨さん
「富士山や駿河湾のめぐみを受けた静岡県が日本一を誇る食べ物だったり地元の食べ物をたくさんつかった献立となっています」

 実は、滝浪さんは去年も甲子園に応募。ベスト24に入ったものの決勝に進むことはできませんでした。今年は地元でとれた食材の割合を増やして再挑戦。

児童
「お茶がスイーツとか料理をおいしくしている」
「ニジマスがとっても美味しかったです」

 そしておととい、リベンジを果たしたのです。審査員からも、献立に込めた狙いを高く評価されました。

審査員
「本当に地場産物をたくさん使っていて、特に学部ごとの活動である例えば小学部であればミカン狩り、中学部が茶摘み体験。それを給食で提供することで学習と関連させた献立というとこも、とても素晴らしいなと思いました」

 きょうもあすも続く給食。コンテストの結果を励みに、滝波さんは、主戦場である毎日の給食に、全力を注ぎます。

滝浪永梨さん
「毎日一生懸命給食を作ってくれている調理員さんや生産者の方々に感謝の気持ちを伝えたいです。これからも静岡の食材をたくさん使っておいしい給食を子どもたちに提供していきたい」