静岡市が全国の政令市で女性市議の比率最下位のワケは?…女性候補全員当選も48人中3人 有権者「ここまで少ないのは異常」

 28日投開票された静岡市議会議員選挙。選ばれた48人のうち女性はわずか3人。全国の政令指定都市で最も低い割合です。なぜ女性市議が少ないのでしょうか。

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久保円華アナウンサー:「静岡市葵区の候補者です。左端からずーっと右端まで全員男性、なんと女性候補は0です」

 きのう投開票の静岡市議選に立候補したのは63人。このうち女性は葵区が0、清水区は1人、駿河区が2人、この3人全員が現職の議員でした。

有権者は…

●投票に来ていた葵区の有権者
20代男性会社員:「ここまで(女性候補の)数が少ないというのは異常だと思う」

70代女性会社役員:「(葵区の女性候補0は)とっても残念だと思った」

30代女性会社員(育休中):「子育てとか福祉とかの面では、女性が入っていた方が良いんじゃないか」

議員本人は

当選したのは48人、女性候補は3人とも当選を果たしました。

 初当選した時のスーツで、5回目の当選を果たした駿河区の佐藤成子市議。初当選は2005年、静岡市が政令指定都市になった年ですが、選ばれた女性の数は今回が最も少なく、静岡市は全国20の政令市で、女性議員の割合が最下位となっています。

佐藤成子議員:「静岡市は女性が出にくい社会だと思う。地域性というか、静岡市の社会慣習というか。すごく保守的ではないかと思う。女性が前に出れば『何やってるんだ』と言う方が、まだまだ多いということだと思う」

浜松市は46人中12人が女性

 一方、女性市議の割合が、政令市で3位なのが浜松市です。46人中12人が女性です。

須藤京子・浜松市議
「よそ者若者ばか者と言うが、たぶんどれも拒まないようなところはあると思う」

Q.県外出身ですか?

須藤市議:「私は富山(出身)です。彼女(平野岳子市議)は秋田です」

 女性市議からは、「浜松市のいわゆる『やらまいか気質』が女性の多さにつながっている」という声もある一方で、「増やそうと思って増えたわけではない、たまたまタイミングだ」という見方もあります。

専門家「女性活躍の文化的な土壌ができていない」

 専門家はどのように見ているのでしょうか。

静岡大学 井柳美紀教授:「浜松はいま女性議員が増える傾向にあり静岡は減る傾向にあるが、どちらにしても自治会長の数は非常に少ない。地域で活躍している女性人材の数を見ると、浜松も静岡も同じように非常に少ない、低い数値が出ているので、女性が活躍するような文化的な土壌・社会的なものができあがっているとは言えないのかな」

 地方議会の選挙の候補者は、自治会などの小さなエリアからそれぞれの代表として出馬する傾向があるといいます。女性の自治会長の割合は静岡市が2.8%、浜松市はさらにその半分の1.4%です。自治会も政治のひとつですが、政治の場に女性が少ない理由として、井柳美紀教授は①有権者も含め、政治を担うのは男性という意識があることや②政治文化が男社会の中でできてきたため、女性には参加しにくさがあることをあげています。

赤ちゃん連れて登庁する子育て中の市議も

 去年10月に出産した小泉翠・浜松市議。共働きのため、週に1・2回は赤ちゃん連れで登庁します。

小泉翠・浜松市議:「コロナが広まる前は、夜の会合がすごく多くて、意外と夜出る機会が多いと驚いた。ワクチン(接種)が始まって収まってきて、また皆で集まれるとなった時に、子どもがいて働き方がどうかなというのは、まだこれからかなと思う」

まもなく生後6カ月になる蒼大ちゃん(男の子)、今週木曜、4月1日からは保育園に通います。

小泉翠・浜松市議:「議員だと仕事をしていようがしていまいが、議会に出ようが出まいが、決まった金額支給される分責任も感じるし、(周りの)皆が育休1年取ってるから私も1年取るというのは(できない)。議員としての責務を果たしていかないと、地域・市民の皆さんに説明がつかないと思う」