「保管法や注射針の処理は…」情報がなく戸惑う医療現場 浜松市

あすから医療従事者向けのワクチンの先行接種がスタートします。4月からは65歳以上の高齢者への接種が始まり、静岡県では約109万人が対象になります。

画像1: 「保管法や注射針の処理は…」情報がなく戸惑う医療現場 浜松市

 県内のワクチン接種の準備状況はどうなっているのでしょうか。浜松市では、集団接種と巡回接種、かかりつけの医師が行う個別接種の3つを組み合わせた「浜松方式」を発表しています。

浜松市 鈴木康友市長(9日):「おそらく個別接種が中心になってくるだろうと。現在、各診療所に確認しているが、かなり多くのクリニックが参加をしていただける見通し」

 浜松市は市内約600の病院・診療所に聞き取り調査を行い、約290の病院・診療所が協力の意向を示しているといいます。

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 接種に協力すると申し出た診療所の一つ、浜松市中区の野中内科ハートクリニック。こちらではどのように接種を行おうと考えているのでしょうか?

野中内科ハートクリニック 野中大史院長:(15日):「最初に問診等で診察をした後に、患者さんはここに座っているので、ここでそのままワクチン接種を行う。ここで特別なものを用意したりは、おそらくないと思う」

 他のワクチンと同じように診察室でワクチンを打ちます。そのあとは…。

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野中内科ハートクリニック 野中大史院長:「おそらくこの待合室で15分から30分くらい、ワクチン後の副反応がでないかどうか経過を見ると。もちろん私もそうなんですが、あとは看護師、ちょうど受付からも正面になるので、受付の事務にも注意して見てもらう形になる」

 接種後の経過観察で、アレルギー反応が出た場合の備えも考えています。

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野中内科ハートクリニック 野中大史院長:「こちらの点滴室で対応させていただくことになる。点滴のルートを確保することや、こういった心電図・血圧を測るような機器を使い、定期的に血圧を測る、そういった対応をここで行う」

患者の年齢層は高齢者が多く、ここでのワクチンを打ちたいという声が上っていました。

病院の利用者:「主治医なので、そのあとに副反応とかそういうことについてもよくわかっていると思うので、そういった意味で安心かなと思って希望しています」

病院の利用者:「自分の体の状況を理解してくれている。何かあった時にも対処も正しく早くできるだろうし」
 
 そんな患者たちの声もあり、接種に協力したいと市に返答したのだといいます。

「詳しい情報が来ない」

野中内科ハートクリニック 野中大史院長:「かかりつけの人はもちろんだが、そうではない、例えばこの近所に住んでいる人で接種を希望する人とかにも、接種させていただくと返答しています」

 接種の際、クリニックの中をどう使っていくか、シミュレーションも既にしていますが、心配もあるといいます。市から、準備に必要な情報が提供されていないというのです。

野中内科ハートクリニック 野中大史院長:「詳しい情報は 現時点ではない。ワクチン自体をどうやって保管するのかとか、実際に注射の針はどうするのかということを進めるためには、情報が必要だと思います」

浜松市の担当者は…

 電話で取材した他のクリニックからも、市からの情報が少なく、接種の準備がなかなか進められないとの声がありました。

 浜松市の担当者に聞くと…。

浜松市 健康増進課 小山東男課長:「14日にファイザーのワクチンが薬事承認されたので、ワクチンの取り扱いとか詳細が今後出てくると思うので、それが出たら速やかにホームページ等で公開いきたい」

Q.国からの情報がまだ浜松市に入ってきていない?

小山課長:「そうです。ワクチンについては全く情報はもらっていません」

 浜松市にも詳しい情報は届いていないのだといいます。国からの情報を待ちつつ、市ではできる準備を進めています。

浜松市 健康増進課 小山東男課長:「ワクチンの卸業者だったり、運送業者や配送できる業者、いくつかあたっていて、週一回程度 約5日間で打てる量を各医療機関に配送して、現場で打ってもらうような仕組みを考えて業者とも調整中です」