2週間後に迫る聖火リレー 浜松市は公道での開催中止を静岡県に要請

オリンピックの聖火リレーについて、浜松市は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から公道での実施を再検討するよう県に対して要望しました。

県の結論は聖火リレー通常実施

画像: 県の結論は聖火リレー通常実施

川勝平太知事:「福島県からスタートしたオリンピック聖火リレーは、きのうまでで35番目の山形県まで実施されています。地域の状況に応じて各県での対応が様々となっている」

 2週間後の今月23日に迫った県内でのオリンピック聖火リレー。新型コロナの感染状況を踏まえて公道での開催を中止する自治体もあった中、静岡県の判断は…。

県オリパラ推進課
横井志伸課長:「判断の結論としましては通常実施。公道での実施である」

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ていないことなどから、県は予定通り公道での聖火リレー開催を決定しました。

横井課長:「県外からも聖火リレー関係者が入ってくるのではあるが、観覧者との交流もない。(観客は)生活圏での観覧というところで、不要不急の他県との交流には当たらないという判断をさせていただいた」

浜松市は例外の要請

画像: 浜松市は例外の要請

公道での開催が決まった聖火リレーですが、例外となる自治体もあるかもしれません。

浜松市
鈴木康友市長:「本市の新型コロナウイルス感染者数は、5月の大型連休以降急増し、5月26日には感染拡大警戒宣言を発令致しました。感染リスクが高まることなど大いに懸念されることから、浜松市における聖火リレーにつきましては実施内容につきまして再検討いただけますよう強く要請をいたします」

 午前、県庁を訪れた浜松市の鈴木康友市長。川勝知事に直接、市内の聖火リレーについて公道での開催中止を求めました。

鈴木浜松市長は「市民の命と健康」を最優先

冒頭のみ公開された会談後、取材に応じた鈴木市長は―

浜松市
鈴木市長:「公道を聖火が走るとなると、多くの観客が来て密が発生する。我々が宣言でお願いしていることと矛盾することになるので、市民の命、健康を守ることを最優先するということが我々の使命だと思っている」

 県内での聖火リレー初日となる、23日に予定されている浜松市のコースは、北区のプリンス岬を出発する区間と中区にある市役所を出発し、市街地を走る区間の2カ所が予定されています。

川勝知事は「組織委員会と相談、問題解決を図りたい」

浜松市の要請を受けて、川勝知事は―

川勝知事:「組織委員会と言ってみれば相談する。そういう段取りに入るということで医療従事者にこれ以上の負担はかけないという観点で、この浜松の事情をしっかりみながら納得づくめでこの問題の解決を図りたい」

 浜松市は当初、陸上競技場など別の会場での開催も検討していましたが、県によると現在大会組織委員会は聖火リレーのルート変更を認めていないといいます。つまり再検討を求める浜松市に残された選択肢は実質2つしかないのです。

Q.聖火リレー開催まで2週間と時間のない中、考えられうる再検討案は?

川勝知事:「ともかく公道のルートを変えられないということ。それは大きい。ルートを変えられない、トーチのリレーをどのようにするかということになると、一部しか走らないとか、場合によっては公道の走行を全面中止するとか、どちらかしか方法はないということであります」