「袴田事件」東京高検特別抗告へ 袴田弁護団や支援者は抗議の声
袴田巌さんの支援団体 山崎俊樹事務局長 都内 午後1時ごろ:
「まさに私は検事長、恥を知れと言いたい。検事総長恥を知れと。よくそんなこと言えるなと思いますよ。」
弁護団 村﨑修弁護士:
「検察官が実験したものでも、赤みは残らない部分もあったと、そういうふうに事実認定でもピシャっと言ってますから。どうしようもないですよ。これ、本当に。腐った本当に腐った検察官」
いわゆる「袴田事件」の再審開始を認めた東京高裁の決定。
東京高検はこれを不服として、最高裁に特別抗告する方向で検討していることがわかりました。
13日東京高裁が裁判のやり直しを認める決定
1966年、旧清水市で一家4人を殺害したとして死刑が確定し、無実を訴える袴田巌さん。
東京高裁が裁判のやり直しを認める決定を出したのは、今週月曜でした。
袴田ひで子さん 13日東京高裁:
「もう57年間闘ってきましたから。ダメでもしょうがないと思ってましたが。これでやっと肩の荷が下りた」
袴田巌さん・ひで子さん14日:
「最高裁でうんといいことあったの。ね」
東京高検が20日までに特別抗告をしなければ、静岡地裁でやり直し裁判が開かれます。
しかし、特別抗告をすれば、再審を開始するかどうか、再び最高裁で審理されることになり、判断が出るまで時間がかかります。
特別抗告を「する」か「しない」かで、事件の行方が大きく左右されるため
東京高検の判断に注目が集まっているのです。
東京高裁の再審決定が出た月曜日以降、弁護団や支援者からは特別抗告をしないよう求める動きが各方面に広がっていました。
日本プロボクシング協会の袴田巌支援委員会はおととい東京高検を訪れ、要請書を提出しました。
一方、「袴田死刑囚救護議員連盟」は、法務大臣あてに特別抗告をさせないよう、「検察を監督する指揮権の発動」などを求める要請書を出しています。
そして 17日
そしてきょう…。
「検察は再審妨害をやめろ!」
東京高検が特別抗告する方向で検討していることに対し、弁護団や支援者は、東京高検前で特別抗告をやめるよう抗議活動を行いました。
その後、記者会見を開き弁護団らは、「検察が正当な理由がないまま特別抗告に動いている」と指摘しました。
弁護団 村﨑修弁護士:
「特別抗告をする理由がない。理由。理由がなしに特別抗告すると、特別抗告するっていうのは許されるわけがない。本当に。それを検察官はしようとしている。形式だけ刑事訴訟法の条文を見て特別抗告っていう規定があるからやろうとしてる」
支援団体 山崎俊樹事務局長:
「検察官は我々と同じ条件で実験している。むしろ我々よりも厳しい条件で実験して、それで血液が黒くなってる。血液が酸性に触れると黒くなるってことは、これはもう否定のしようが無い事実。それでも彼ら赤みが残るって言い張るんだったら、それはね、嘘も百回言えば本当になると、まさに私は検事長、恥を知れと言いたいです」
また弁護団事務局長を務める小川秀世弁護士も怒りをあらわにします。
弁護団 事務局長 小川秀世弁護士:
「僕はビックリした!ここまできてなぜ特別抗告の方に気持ちが動いているのかよく分からない。袴田さんの人生や命を一体どう考えているんだと検察庁は。そのことについて全然考慮しないで(仮に)組織やあるいは警察を守るということを考えてやるなら本当に組織として検察庁を許せない」
日本プロボクシング協会の袴田巌支援委員会、新田渉世委員長は…?
日本プロボクシング協会の袴田巌支援委員会 新田渉世 委員長:
「悲しみと憤りと混ざったような気持ち。袴田さん87歳、ひで子さんも90歳、我々「時間がない」という言葉をよく使うんですが、本当にいい加減にしてほしいと思う。高裁の再審開始決定が出て、いいパンチを当てられたと思ったが相手が反撃、カウンターパンチを打って来そうな、パンチを出す構えを見せたということなので。何としてもこの試合ノックアウトで終わらせないと。本当に早くこのラウンドで終わらせたい、決着をつけたい。道理として、抗告は断念してほしい」
特別抗告させないよう法務大臣あてに要望書を提出した議員連盟の会長、塩谷立(しおのや・りゅう)衆院議員は、「現時点では特別抗告が決まったわけではないので、コメントできない」としています。
また袴田巌さんの姉、ひで子さんは特別抗告に関して「出てもいないのに、コメントのしょうがございません」としています。