オーケストラ楽器水浸し事故 市は調査委員会を設置…原因究明にも至らず主張は平行線のまま 静岡・裾野市

 裾野市でスプリンクラーが突然作動し楽器などが水浸しになった問題で原因を究明する事故調査委員会の初会合が28日に行われる事になりました。

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オーケストラ楽器水浸し事故で市は調査委員会を設置…原因究明にも至らず主張は平行線のまま 静岡・裾野市

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 2カ月ほど前に発生した、今回の問題。

 裾野市民文化センターの大ホールで公演を予定していたオーケストラ「シンフォニエッタ静岡」の楽器や楽譜が水浸しになりました。

 市は原因究明のため、第三者による事故調査委員会を設置するとしていました。
 
 これについて、21日村田市長は…。

裾野市 村田悠市長:
「第一回の事故調査委員会は11月28日月曜日、午後に実施する予定であります。どこに原因があるかということを専門的知見をもって判明していただこうということで、委員会を組ませていただいておりますので、私どもからどのような依頼をするとかどういうことをやってくれと言うことはありません」

 事故調査委員会は5人程度で構成され、委員長は静岡大学工学部の近藤淳教授が務めます。その他の委員は調整中だということです。

裾野市と楽団の主張は平行線のまま

 発生からおよそ2カ月。
 
 原因究明に至らない中、楽団と市の主張は平行線を辿っています。

Q.(楽団側は)事故があった日、市長は現地に来ていたが会いに来てくれなかったと。少しあいさつとか、声がけがあってもよかったのではと。言わなかったのはなぜか?
裾野市 村田悠市長: 
「当日の対応につきましては、私も事故当日すぐに文化センターに行って、楽団の皆さんがいらしたということは私自身存じておりませんで、行き違いがあったというところもあったと思います。しかしながら、今回のこの件は第三者の犯行もまだ捨て切れないことから、私は謝罪はまだしかねると思っています」

 主張が食い違っているのは、これだけではありません。

シンフォニエッタ静岡 中原朋哉さん:
「裾野市民文化センターの職員から電話があって、市から『楽団と直接連絡を取るな』と言われているということでした。市から『スプリンクラーの事故の原因が分かるまでは楽団に支払いをしない方がいいのではないか』と、事実上支払いをするなという指示があったそうです。裾野市の行動は極めて悪質」

 いわば、市が指定管理者に口止めをしていたという楽団の主張。

 これについて、番組の取材に、裾野市は代理人弁護士を通じて書面で回答しました。

裾野市の回答:
「市から指定管理者に対して『楽団と直接連絡を取らないように』との指示は行っておりません。また、『原因が分かるまで楽団に公演料や旅費交通費を支払わない方がいい』とも指示していません。市としては、『本件は自主事業であり、市は意見する立場にない』、『指定管理者と楽団との間の当初の契約内容に基づき、適切にご判断いただきたい』という旨を伝えております」

 裾野市は代理人弁護士を通じて楽団に対して説明の機会を設ける考えで、現時点で直接対話する予定はないとしています。

Q.補償の話になると、第三者の犯行かどうかが一つのポイントになるが、第三者委員会では人為的操作による作動の可能性がどうなのかをはっきりさせたい?
裾野市 村田悠市長:
「そこが第一ではなく(人為的)操作と事故の両方をあわせて報告書をいただけるのかなと思っています」

及川涼介副市長:
「第三者が操作していたかどうかは警察による捜査をしなければいけないので、そこはきちんと警察で捜査してもらって、一方で機械の故障などがなかったかについては事故調査委員会で専門的な知見から調べていただくという両面から調べていくことを想定している」

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