ふるさと納税の流出額1億6000万円 全国926町村の中でワースト1 静岡・長泉町
そのマイナスの影響を受けています。
池田修 長泉町長 :
「長泉町は高齢化率が県下で一番低い、イコール生産年齢人口の割合が一番高い町。さらに、平均所得というランキングがあるんですけれど、それが県下で一番高い町である。そういう中で町民の7.7%、3400人という方がふるさと納税をしている。所得が高い方なので、たくさん納税が出来るわけです。さらにコロナ禍で巣ごもり需要も加わってどんどん膨らんでいってしまった」
こう語るのは静岡県長泉町の池田町長。
長泉町は県内でもっとも堅実な財政力を誇り、地方自治体の“優等生”とも言える町です。
ただ、2021年度にふるさと納税で得た寄付額はおよそ100万円。
それに対して、寄付を受けた額から、発送費用や町民が他の自治体に寄付した税金を差し引いた流出額が1億6000万円と、大きな赤字となってしまいました。
これは全国の町や村でワースト1位です。
池田修 長泉町長 :
「全国で926町村がある中で、マイナスが一番になってしまったということで、ふるさと納税がどうなんだろうという思いはありますけれど、結果このようなことになって非常に残念と思っています」
ふるさと納税で赤字となった市町村には赤字分の75%を地方交付税で補填する国の救済制度がありますが、長泉町は地方交付税不交付団体であるため救済を受けられないことも大きく響いています。
地方都市の“優等生”に押された“全国ワースト1位”の烙印。
その汚名を返上するため、長泉町も「ふるさと納税」で新たな取り組みを始めました。
長泉町 桃沢野外活動センター (15日)
長泉町 企画財政課 加藤伸幸さん:
「桃沢野外活動センターにありますコテージがその対象となっています。」
長泉町が今年度、新たに取り組むふるさと納税は「体験型返礼品」。
桃沢野外活動センターでのコテージ利用者と町内2つのゴルフ場利用者が対象で、QRコードや現地の自動販売機で、1万円をふるさと納税すれば、次回3000円の割引が受けられるというもの。
現在、8月からのスタートを目指して調整中です。
コテージは全部で4棟あり、炎が大きく見える最新型の薪ストーブが備え付けられたタイプのものが1棟、8人で利用できるタイプが3棟あります。
どのコテージも、デッキリビングと大きな窓が特徴で、
自然を感じながら過ごすことができます。
長泉町 企画財政課 加藤伸幸さん:
「山というか森というか、そういった中で宿泊が出来るという施設で、なかなか長泉町でもそういった場所は珍しいというか」
町民も「町の魅力を発信できる」と好印象な様子。
長泉町民(20代):
「桃沢にたくさん人が来てくれたら、長泉いいじゃんって。それで住んでくれたら、それはそれでいいですよね」
長泉町民(30代):
「返礼品って品物だけではないんだなっていうことにびっくりしたので、そういった新しい形でのふるさと納税の使い方というのがとても楽しみ」
県内はもちろん、県外の人たちにも人気のあるコテージ。
町はゴルフ場と合わせて、今年度1500万円の収入を見込んでいます。
でも町長は
一方で、池田町長は“過熱しすぎている”ふるさと納税競争に疑問を投げかけています。
池田修 長泉町長:
「まさにカタログショッピングの様相を呈していて、ふるさと納税合戦、奪い合いには私は与しないでこれからもいきたいと思っている。企業誘致だとか、子育て支援という“まちづくり”の政策で、よその市町よりも先に先にいって、王道である税収を確保していって、そのような施策をうつ事業費を確保していきたい」