風速55メートル…竜巻とみられる突風で住宅など90棟超、茶畑にも大きな被害 災害ごみの処理作業も始まる 静岡・牧之原市
1日、竜巻とみられる突風被害を受けた牧之原市布引原地区。
上空から見ると、突風の通り道とでもいえるような被害を受けた家屋が一直線上に並ぶ場所がありました。

スミス春子アナ:「何かの工場でしょうか。緑の屋根が半分ほどはがれてむき出しになっています。中には1台のトラックがあります。瓦礫を移動させようとしています」
発生から2日、工場や住宅では、屋根の修理やがれきの撤去作業に追われていました。
茶畑では防霜ファンが倒れ…
被害は牧之原市の主要産業である茶畑にも及んでいました。突風のあった1日はお茶の新芽の摘み時、八十八夜でした。
林輝彦アナウンサー:「茶畑の周りには瓦礫が散乱しています、さらにお茶の木も根本から折れてしまっています。さらに電柱でしょうか、電柱とみられるものが茶畑に倒れ込んでしまっています」
お茶農家
Q.電柱のようなものが折れ曲がっているが、何が倒れている?
A.「防霜ファンです。春先に霜が降りるので、霜よけに茶畑に扇風機がつけてある。重たくはないので、自分たちで除去しようと思う」

こちらの茶畑は収穫がちょうど終わったばかりで、折れた防霜ファンを撤去すれば復旧はなんとかなりそうだといいますが、もし1週間ずれていたら収穫前のお茶が台無しになっていたということです。
風速55メートル 住宅など90棟以上が被害に
竜巻とみられる突風がこの地区を襲ったのは、1日午後6時50分ごろでした。
住民:「奥に赤い車と白い車が2台あるんですよね」
Q.つぶされちゃってひどいですね?
住民:「それとあともう1台あるんだけど、横のガラスがだめですね」
被害は牧之原市で布引原地区を中心に、住宅など90棟以上におよび、一時560世帯が停電。ガラスの破片で手を切るなど3人がけがをしました。

風速はおよそ55メートルと推定されています。静岡地方気象台は、現地調査の結果、「ゴーという音が移動した」「耳づまりや耳鳴り、体が浮き上がる感じがした」などという住民の証言が複数あったことから、「竜巻の可能性が高い」と発表しました。
2日、現地を視察した静岡県の川勝平太知事は…。
静岡県 川勝平太知事(2日):「ものすごい風の力が働いていることは間違いありませんから、そこは働いたところと働いていないところではもう全く違うと、報告を聞いた以上に現場をみることで被害が大きいことを知りました。静岡県としても災害にかかわるいくつもの制度があるので、これをフルに活用して一日も早い復旧を図っていきたい」
災害ごみの処理も始まる
そして、3日。復旧に欠かせないのは大量に出る、災害ゴミの処理です。
林輝彦アナ(午前9時半):「災害ゴミ仮置き場には、先ほどから何台もトラックが入ってきて、がれきや家具などを運びこんでいます。そして近隣の住民による作業が進められています」
集められたのは壊れた瓦やガラス、そして木材。それが何台もの車に乗せられ運び込まれていました。

そして、家屋の修理などに必要になるのが罹災証明書。牧之原市ではすでに罹災証明の申請窓口を開設しています。
罹災証明の手続きに来た人
「家全体的だが、屋根の破損です。瓦が飛んだり割れたり」
牧之原市の担当者
Q.どういった申請が多かったか?
A.「自宅では屋根の瓦が飛んでしまったというのがほとんどたった。車の被害では窓ガラス、フロントガラスなどが飛来物で破損した人が多かった」