藤井聡太竜王の「おやつ」を決めるのはあなた! 10月に竜王戦ある静岡県富士宮市でコンテスト…38店が自慢の一品エントリー
投票しているのは『藤井竜王のおやつ』
富士宮市役所を訪ねると、投票箱に一票を投じる多くの市民が。一体何に投票しているのかというと…?
富士宮市民70代「フルーツサンド。ちょっと食べてみたいなって思って」
富士宮市民40代「和菓子はおしゃれなのとか、面白いのがあるので迷っています。」
いま富士宮市で開催されているのが「竜王戦おやつコンテスト」。10月、市内で行われる将棋の竜王戦で、藤井聡太竜王と挑戦者が食べる“おやつの候補”を選ぶコンテストです。その投票が先週から始まりました。
藤井竜王のおやつがブームになったことも
藤井竜王が食べたことで一躍有名になったおやつが名古屋生まれのスイーツ「ぴよりん」。今年5月、「ぴよりん」の静岡版が発売されると、販売会場となったホテルに整理券を求める人が殺到しました。
客「去年藤井聡太さんが『ぴよりんアイス』を食べたと。それでさっそく並びました」
客「可愛いですね、本当に。これ食べるものだって」
この藤井フィーバーに期待を寄せるのが、おやつコンテストにエントリーした菓子店です。今回のコンテストに懸ける思いを取材しました。
竜王戦第3局は富士宮市で開催
10月から全国各地で行われる第35期竜王戦。竜王は8つある将棋のタイトルの中でも最高位とされていて、去年タイトルを獲得した藤井竜王にとって、今回が初めての防衛戦。その第3局が10月28日と29日の2日間、富士宮市にある「割烹旅館たちばな」で開催されます。
この注目の大会を盛り上げようと富士宮市で行っているのが「竜王戦おやつコンテスト」。市内に本店がある店を対象に7月公募したところ、和菓子、洋菓子、合わせて38品のおやつがエントリー。
市役所での投票は終了していますが、市のホームページでは今月31日まで受け付けていて、誰でも投票できます。投票結果をもとに、和菓子3品、洋菓子4品の合わせて7品がおやつの候補に選ばれる予定です。
自分の一票で藤井竜王のおやつが決まるかもしれないとあって、投票にも熱が入ります。
富士宮市民40代「洋菓子はこちらの迫力もあるし、華やかなので。3番のもちのきの「どらサンド」が本当に大きくて。たぶんバクっバクって食べると思うんですけど。子どもたちも大好きなので。フルーツたっぷり入っていて。これを食べる姿が見たいです」
富士宮市民40代「『タヌキのケーキ』と富士見荘の『雲海ゼリー』で決めた。藤井さん可愛いものを選んでくださる印象もあるので、ぜひこれを食べてみんなにも教えてもらえたらいいなと思う。きょう買って帰ろうかなって。地元も盛り上がっちゃう感じがしています」
富士宮市民70代「フルーツサンドに入れた。八百屋さんだから中のフルーツがすごく完熟を入れるからおいしい」
ディレクター:もしかしたらその1票で藤井さんが食べるおやつが決まるかも?
市民「それは期待してる。ひょっとしたら届くかなって。焼きそば以外に富士宮にこんなのがあるんだ!っていうのがあるといいと思う。」
富士宮市 企画部企画戦略課 主査 杉村浩之さん
「タイトル戦でおやつがどういうものが選ばれたというのが大きく取り上げられているので、これだけ多くのもの(おやつ)が富士宮にあるんだよというのを知ってもらいたいというのと、せっかく(藤井竜王に)来ていただくものですから、一緒に竜王戦を盛り上げていきたいと、そういう思いがあります。」
老舗和菓子店は「豆腐のお菓子」で勝負
富士宮市で始まった「竜王戦おやつコンテスト」。藤井聡太竜王と挑戦者が食べる“おやつの候補”を選ぶコンテストで、市内にある38の店が自慢のおやつをエントリーしています。
そのひとつが富士山本宮浅間大社のすぐ近くにある「富士の菓子処 藤太郎(とうたろう)」。今年で創業90年を迎える老舗和菓子店です。いまの季節人気なのが、県内産のフルーツを使ったゼリーやお店で手作りしている上生菓子。
そして、今回コンテストに出展したのが…。
富士の菓子処 藤太郎 後藤健さん
「こちらになります。豆腐のパンナコッタ」
こちらが和菓子部門でエントリーしている「黒みつ豆腐」。とろ~りなめらかな豆腐と大納言小豆。そこに黒蜜をかけていただく和風パンナコッタです。シンプルなスイーツだけに、材料にはこだわりが…。
富士の菓子処 藤太郎 後藤健さん
「これが豆腐」「富士山の湧水を使った和田豆腐のおいしい豆腐」
使っている豆腐は、市内で100年以上続く老舗のもの。後藤さんが市内すべての豆腐店を渡り歩いて選んだ「黒みつ豆腐」には欠かせない豆腐です。
富士の菓子処 藤太郎 後藤健さん
「濃かった。大豆の味っていうんですかね。豆腐の味。濃いなって。食べた瞬間。(開発で)一番時間かかったのが豆腐選びかもしれない」
そんなこだわりのつまった「黒みつ豆腐」。誕生のきっかけは、友人からのある相談だったといいます。
富士の菓子処 藤太郎 後藤健さん
「友だちの子どもが卵アレルギーで、卵を使わないお菓子を考えていたのがきっかけ。小さいからプリンとか食べたがっていたけど、プリンは卵を使っている。じゃあ豆腐で作れるかなって」
その後、ヘルシーなのにおいしいと地元で評判が広がり、今では10年続く店の看板商品に。コンテストへのエントリーも迷わずこれに決めました。
富士の菓子処 藤太郎 後藤健さん
「作った当初はもちろんおいしいとは思っていたんですけど、周りの評価がついてきて、これだったらいけるかもという感じで(コンテストに)出させてもらった」
親子3代。この地で店を守ってきた「藤太郎」。40年、店番を務める後藤さんの母・青己さんも今回のコンテストに期待を寄せています。
富士の菓子処 藤太郎 後藤青己さん
「あれ(黒みつ豆腐)は本当に栄養があるから、それでそんなに甘くなくて。ぜひ本当に(藤井竜王に)食べていただければいいと思っています」
富士の菓子処 藤太郎 後藤健さん
「ぜひ選ばれて売れればいいなって。それでちょっとでも、富士宮を盛り上げられたらいいなって。それに協力出来たらいいなって思っている。」
新たに作ったお菓子で挑戦する洋菓子店も
コンテストのために新たに作ったおやつで勝負する店も。洋菓子部門で出場しているのが「フルーリス」。創業40年。焼き菓子や季節のフルーツを使ったケーキが人気の洋菓子店です。
今回のコンテストのために作ったおやつというのが…。
フル―リス洋菓子店 河上永実さん「お待たせしました。こちらになります。富士山の形をイメージして作りました」
こちらが今回コンテストにエントリーしているその名も「Fuji-san(ふじさん)」。こうして見ると…確かに、富士山に見えますよね?
富士宮産の抹茶を使ったムースの上には、チョコレートスポンジ。さらに、生クリームとマロンクリームを重ねた
贅沢なモンブランです。
フル―リス洋菓子店 河上永実さん
「やっぱり富士宮の魅力を知ってもらいたいので、それが伝わるように意識して作りました。」
開発を担当したのは、入社2年目の河上さん。店の一大プロジェクトを初めて任されました。
開発を任された時は?
フル―リス洋菓子店 河上永実さん「うれしかった。お菓子作りをするのが小さいころからの夢で。人に食べてもらうのがすごくうれしいので」
おやつ開発中も、同世代の藤井竜王の活躍に刺激を受けたといいます。
フル―リス洋菓子店 河上永実さん「若いうちから活躍されていて、私自身もエネルギーをもらって。今回の開発にあたってもそれをきっかけにお店が賑わってくれたらいいなと思っている。」
選ばれるのは、果たしてどのおやつなのでしょうか? 結果は9月15日に開催される実行委員会で発表されます。