「卵が手に入らない…」 “静岡の定番土産”『こっこ』も苦境に…打開策は「安倍川もち」 静岡市

 鳥インフルエンザの感染拡大によって、卵の供給不足や価格高騰など、深刻な問題となっていた、いわゆる「エッグショック」。JA全農たまごによると、3月28日には卵の卸売価格が1kgあたり350円(東京・Mサイズ)と過去最高を更新。そこからおよそ3カ月余り横ばいで推移し、高止まりの状況が続いていました。静岡県内でも、卵を多く使う企業からは苦しい言葉が…。

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「市場に卵が少ないので『今後1年どうするか』悩んだ」

株式会社ミホミ 中村宗一郎取締役:「我々も観光業みたいなもので、人が動かないと商品が売れないので、(コロナが収まり)頑張っていこうかなと思った矢先に、卵不足というのが起こってしまって…」

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 こう話すのは、“静岡の定番土産”として有名な「こっこ」などを製造・販売する静岡市の食品メーカー「ミホミ」の中村取締役です。

 こちらで販売している「こっこ」は、生地の原材料のうち卵がおよそ3割を占めていて、製造には非常に多くの卵が必要となっていました。

 ところが、今回のエッグショックによって、市場では卵の供給量に制限がかけられる事態に。仕入れ先からは、希望する量の半分ほどしか卵が手に入らない状態が続いていたと言います。

株式会社ミホミ 中村宗一郎取締役:「そもそも市場に卵が存在していないので、弊社としては、今年1年間どうしていこうかなと頭を悩ませていた。こっこに関しては商品数を絞って作っていくということで社内的には決定して動いた」

卵が3カ月ぶりの値下がり

 そうしたなか、農林水産省は今月20日、“エッグショック”の原因となった鳥インフルエンザについて、国内の農場で感染がなくなったことを意味する「清浄化」を宣言。その影響は価格にも…。

画像: 卵が3カ月ぶりの値下がり

 26日、JA全農たまごが発表したMサイズの卵の卸売価格はこれまでより5円値下がりし、1キロあたり345円に(東京・Mサイズ)。いまだ高止まりは続いていますが、およそ3カ月ぶりの値下がりとなりました。

 価格については、ようやく明るい兆しが見えてきましたが、卵の供給状況については…。

株式会社ミホミ 中村宗一郎取締役:「供給の制限に関しては、少しずつ改善されているというのはもちろんある。ただやはり完全ではないし、市場を見ても、必ず手に入る状況ではまだないと思う」

 やはり、すぐには卵の安定的な供給には至らず、現在も「こっこ」については商品のラインナップを限定して販売するなどの対応を行っていると言います。

卵不足の打開策は「安倍川もち」

 静岡の定番みやげ「こっこ」が直面した前代未聞の危機。そんな逆境の中で静岡銘菓を作る企業として“新たな一手”を打ち出したといいます。

株式会社ミホミ 中村宗一郎取締役:「こっこの次に会社を支えてくれた商品として、やはり安倍川もちをしっかり売って、こっこの足りない分をしっかりカバーできるように、社内的には安倍川もちをとにかく売っていこうという風に、(こっこの売り上けと)同じ目標を目指してやっていくという形になった。

画像: 卵不足の打開策は「安倍川もち」

 卵不足の新たな打開策というのが、こちらの「安倍川もち」。以前から販売していましたが、エッグショックによって主力商品である「こっこ」が影響を受けたため、大幅な販売強化を実施。静岡県のお土産としてはこちらも定番の「安倍川もち」に社運をかけました。

商品改良で賞味期限延ばす

株式会社ミホミ 望月彩加副工場長:「以前は安倍川もちの賞味期限が15日だったが、(商品の)配合の調整をして賞味期限を35日まで延ばした。 限られた方法の中で工夫していくというのは、一番苦労したところ」

 商品の糖分や水分量などの研究を重ね、日にちが経っても餅が固くなりにくいように商品の改良に成功したといいます。さらに、こんな“営業活動”も…。

株式会社ミホミ 営業本部 高須健太郎係長:「味がおいしいという評判も頂いているので、(取引先に)実際に召し上がっていただいて、ミホミの安倍川もちがおいしいと思っていただけるように、営業部としては広告ではないが、そういったことを活動させていただいた」

「こっこ」と「安倍川もち」の両輪で

 卵の価格が下がり、ようやく暗闇から抜け出そうとしている中で、今後「こっこ」はどうなっていくのでしょうか?

画像: 「こっこ」と「安倍川もち」の両輪で

株式会社ミホミ 中村宗一郎取締役:「こっこに関しては、供給の制限もある程度見えてきているところもあるので、とにかく新商品をできるだけスピーディーに出していけたらと思うし、本当にこっこと安倍川もちが柱になって、引き続き努力していきたい」

 静岡の定番土産、「こっこ」が直面した“エッグショック”。県民の生活や企業の製造に欠かせない卵の価格は、このまま下がっていくのでしょうか。