台風接近で被災地に独自の「避難指示」 避難した住民「盛り土が残っているので、不安」 静岡・熱海市の土石流災害 /26日午後5時
山内陽平記者:「このあたりは泥のにおいが強くなっています。行方不明者の捜索は続けられていて、シャベルなどを使って泥の撤去作業が行われています」
捜索活動は26日も総勢900人で行われました。きのう25日は2人の遺体の身元が判明し、熱海市伊豆山の太田佐江子さん(93)と瀬下陽子さん(77)と発表されました。
太田さんをよく知る人:「やっと姿を表してくれてほっとした。ただ、まだ息子さんが見つかっていないので、息子さんも早く見つかってほしい」
土石流による死者は21人で、現在も6人の行方がわかっていません。
台風接近…被災地に避難呼び掛け
捜索活動が続くなか、26日午後1時、熱海市は台風8号の接近に伴い、独自の「避難指示」を発令しました。対象は土石流で大きな被害を受けた熱海市伊豆山の岸谷地区、仲道地区、浜地区です。
それぞれの避難先は岸谷地区が熱海リフレッシュセンター、仲道地区はハートピア熱海、浜地区は大江戸温泉ホテル水葉亭とホテルニューさがみやとなっています。
台風8号は時速35キロで北上していて、関東や東北に上陸の恐れがあり、熱海市でも
あすから激しい雨が降る恐れがあります。市は明るいうちに避難してほしいとして、対象地区の住民らにきょう26日中の避難を呼びかけています。
町内会長「これでまた災害が発生すると大変」
住民らは台風への備えや避難準備に追われました。
避難した住民:「どうなるかわからないので避難しました。早めに。盛り土が残っていると思うので、それが再度流れたりしたら。不安です」
浜地区町内会 千葉誠一会長:「3週間たって復旧が進むにつれて、少しでも前へ前へと思っていますから、これでまた元に戻るような災害が発生すると大変なこと」
市内のダイビングスクールも営業休止を決めました。
熱海マリンスポーツクラブ 大久保衛代表:「台風が来ると機材を全部片づけなくてはいけない。片づける場所がないから、家に倉庫があるので、持っていけないんですよ。それでどうしようかなと。困っちゃうなと」
現在、気象庁から熱海市に発表されている警報・注意報はありませんが、今後の気象情報に十分注意してください。
また、県は現在、熱海市伊豆山で通行止めとなっている国道135号について、台風8号の影響を受けなければ、29日午後3時に規制を解除すると発表しました。解除されれば、現在、無料で開放している熱海ビーチラインは30日から通常通りの営業を再開するということです。