今年の夏は電力ひっ迫? いったいなぜ… 影響は静岡県内にも 家庭用蓄電池の需要が急増
予想される今夏の電力ひっ迫?
萩生田光一 経済産業大臣:「例えば室内温度を28℃にする、不要な照明は消していただくなど、できる限りの節電・省エネにご協力いただくとともに、需給ひっ迫時の節電対策体制の構築にご協力をお願いいたします」
政府は電力のひっ迫が予想されるこの夏、家庭や企業に対し節電要請を出すことを決めました。期間は7月1日から9月30日までの3カ月間、政府による節電要請は2015年以来7年ぶりです。
2022年3月に福島県と宮城県で起きた最大震度6強の地震で、首都圏に電力を供給していた火力発電所が損傷。厳しい寒さによる電力需要の高まりと重なったことから、東京電力管内では初めて「電力需給ひっ迫警報」が出され街の灯りが一斉に消えました。
静岡県内にも影響が…
静岡県富士市の工場でも…。
トキワ電線
担当者:「きょうに限っては外寒いですけども、現場のエアコンを切っております」
県内でも富士川より東にある富士市や沼津市など20の市や町で、不要な照明を消すことや暖房の温度を20℃に設定することなどが求められました。実は、このとき壊れた発電所の復旧の見通しは現在も立っていません。さらに脱炭素の動きの中、古くなった火力発電所の休止や廃止も相次いでいます。
政府は太陽光発電の出力が下がる一方で、家庭などで電力需要が高まる午後5時から8時までの節電を特に呼びかけています。
家庭用蓄電池の需要が急増
アール・エス・ティー
伊藤隆介課長:「こちらが当社で取り扱っている家庭用蓄電池になります」
こちらは静岡市のリフォーム会社。今、家庭用蓄電池の販売が好調だといいます。
アール・エス・ティー
伊藤隆介課長:「問い合わせ件数が非常に増えております。2019年の浜松の停電の頃から増えていまして、その頃月20件くらいだったものが、今ではだいたい月100件くらいになっています」
ソーラーパネルで発電した電気などをためておけば、停電の際にも普段と変わりなく電気を使うことができます。
今年の春ごろから問い合わせが急増し、販売台数も去年の同じ時期と比べておよそ3倍に増加。その背景には、県内にも出された「電力需給ひっ迫警報」の影響が―
伊藤課長:「やはり停電が起きますと危機感を皆さんが覚えますので、どうしても問い合わせ件数が増える形になります」
扱っている家庭用蓄電池の価格は蓄えられる電気の用量によって、およそ100万円から300万円程度まで。売れ筋は4人家族で停電時に最大3日ほど電気が使える、200万円前後の商品です。停電や節電対策で需要が高まっている家庭用蓄電池。しかし供給が追い付いていない状況が続いているといいます。
伊藤課長:「現在半導体不足の影響を蓄電池業界も受けているので、そこに対する供給については現在不透明なところがあるので不安に思っている。価格の高騰と納期についての遅れというのは現在も常に起きているので、そこが解消されることを我々も望んでいる」